エコ金具で水とお湯の無駄をなくす水栓金具
「節水」と「節湯(せつゆ)」のエコ化が加速
「水栓金具」は「2ハンドル混合栓」(湯と水のそれぞれのハンドルを調整する金具)に代わって、1本のレバーで流量と温度を調整できる「シングルレバー混合栓」や、設定した温度で安定した湯が出る「サーモスタッド混合栓」が主流となっていますが、さらに便利で、かつエコな水栓金具が次々に誕生しています。
「タッチスイッチ水栓」は、一時止水用のスイッチにタッチすることで、こまめに湯水の出し止めができるもので、キッチン用水栓と浴室用シャワーヘッドについています。
「タッチレス水栓」はセンサーに手を近づけるだけで出し止めできるタイプで、キッチン用水栓で使用されています。この2つの水栓金具は手元止水機構といい、利便性に加え、エコ効果は節湯効果で比較した場合、従来品に比べてキッチン用で9%、浴室用シャワー水栓で20%の節湯ができるとされています。節水効果で例を挙げると、手元止水機構と節水型シャワー水栓*を組み合わせた場合、50%近い節水効果が期待できます。
*水に空気を含ませることで水の粒を大きくしたものや、少量の水を圧力を上げることで勢いをつけるものがある。
商品選びのポイント
「機能性」と「デザイン性」と「エコ」
商品選びのポイントは、機能性とデザイン性、そしてエコです。キッチン水栓を例に挙げると機能面ではハンドシャワータイプにすることで、シンクの中をサッと簡単に流すことができます。さらに料理中に手が汚れていても、タッチレスタイプの水栓であればハンドルに触れずに使用できるので便利です。特にオープンキッチンではキッチン水栓が露出するため、デザイン性の高さが求められますが、グースネックタイプの水栓金具ならデザイン性に加えてタッチレスやタッチスイッチの手元止水機構付きの便利でエコな商品が多く、人気があります。
1分間で理解する水栓金具
チェック1 水栓金具の使用場所と傾向
チェック2 水栓金具の主なタイプの特徴
トレンド
エコ水栓金具は「節水」効果に加えて、近年「節湯(せつゆ)」効果が注目されるようになりました。節湯水栓は「手元止水機構(節湯A)」の他、浴室シャワー水栓用の「小流量吐水機構(節湯B)」、無意識に湯を使うことを防ぐ「水優先吐水機構(節湯C)」に分類されます。「水優先吐水機構」はエコハンドルやエコシングルなどと呼ばれ、キッチンと洗面台の水栓金具に急速に広がっています。これはハンドルが中央にくるときに湯ではなく水が出るようにするもので、知らず知らずのうちに湯を使ってしまうことを防ぐ効果があり、節湯効果は約30%とされています。
リフォマガ2021年1月号掲載