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東洋医学における虚実

2021.05.13 22:40

東洋医学をやっていると虚証と実証という言葉に出会います。

この言葉が、鍼灸治療をする上で誤解となっているのではと感じることがあります。「虚」というのはエネルギーが少なく、「実」というのはエネルギーが多いという話しですが、これは部分的な話しであって、その人の総量が変化した訳ではないはずです。 


この人は「虚」だからエネルギーを与えなければならない。という言い方をする術者がいますが、人間の身体は外部からエネルギーを与えられるはずがありません。もし、そんなことをしたらきっと内部破壊してしまうでしょう。 


平均は1.5気圧に耐えられるのに1気圧しか耐えられない風船に1.5気圧入れれば当然ですが破裂します。

その人は1気圧が上限であり、他の人と比べて弱いから、破裂しそうなところを補強して、1.1気圧入れても当然ですが強化していないところから破裂するでしょう。

1気圧で破裂する風船の持ち主と2気圧入れても大丈夫な風船を持っている人とは根本から違いがあるのだと思います。 


例えば、栄養状態が悪い人に高栄養のものを与えれば、エネルギー過剰になって消化不良が起こり、排泄する為に下痢をしてしまうのではないかと思います。その時にエネルギーを使うと余計にエネルギー不足になってしまう可能性があるので、安易に栄養を与えるというのは、どうかなと思う時があります。


1気圧で破裂するというのが個体差というものでしょう。 


もし、個体差を考えないで、ここが弱いとか平均値でないからということで補強し、平均的な1.5気圧を入れれば当然その人は崩壊します。 


軽自動車はずっと軽自動車のままです。大型車とは違います。軽自動車に大型車の特性を求めても無理ですよね。 軽自動車には沢山の良いところがあります。燃費の良さや取り回しが楽という気軽さです。更に最近の軽自動車は、性能も優れていて遠出をしても疲れないぐらいの設計になっていますので、中型車並の乗り心地なのではないかと思います。 


平均的には中型車は多いかもわかりませんが、中型車が絶対に良いかというとそうではないですよね。やはりちょっとした買い物なら軽自動車の方が楽です。

大型の荷物を載せるのに軽自動車や中型車では容量不足です。 もし、軽自動車を街乗り以上の性能を与えてしまったらバランスが悪くなって乗りにくくなったりするでしょう。


それと同じことなんじゃないかと思います。 エネルギーを外部から与えるのではなく、その人の中で完結するようにしていくということです。だから、その人が出せる以上の能力を求めるのは大きな問題があるということだと思います。