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南シナ海の諸島名を冠したクラフトビール「Truong Sa」「Hoang Sa」

2021.05.19 10:25


更新 2021.05.19




ベトナムでも4.5年ほど前から盛り上がりをみせる、クラフトビール


欧米の醸造技術をベースに、ハーブや南国フルーツを使ったユニークなフレーバーも楽しめるベトナムのクラフトビールは、外国人を中心に、ベトナム人中間層や富裕層からも人気。


北部ハノイや中部ダナン、南部ホーチミン市と、各地域にさまざまな醸造所があり、特に商業都市のホーチミン市は活況。コンビニで手軽に買えるほか、醸造所直営のタップルームも充実しています。




そんなクラフトビールに近頃、また別の角度から作られた新顔が加入。

南シナ海の諸島の名前を冠したクラフトビールです。


…と、

領有権の問題などが絡み、少々デリケートなところではあるのですが…




写真左が、

西沙諸島(英名:パラセル諸島)のベトナム名を冠した「ホアンサ(Hoang Sa)」


写真右が、

南沙諸島(英名:スプラトリー諸島)の名を冠した「チュオンサ(Truong Sa)」


カラフルなイラストにベトナムらしさが表れていて、かわいいです。






【プレミアムクラフトビール/瓶】


上の写真の缶ビールに先駆けて、今年(2021年)1月。

2本のプレミアムビール「ホアンサ スペシャル(Hoang Sa Special)」「チュオンサ スペシャル(Truong Sa)」で販売スタート。


そのときに取り上げられた、ベトナムの日本語ニュースサイト「ベトジョー(Vietjo)」の記事を見て、初めてこのビールを知ったのですが、その記事によると、

ーーーーーーーーー

・中国との間で領有権を巡り問題になっている南シナ海の南沙・西沙諸島から命名。

・製造を手掛けるのは、ゼーファーラー・プレミアムビール(Seefahrer Premium Beer)。

・消費者の多くは購入によってベトナムの領有権支持の姿勢を表そうとしている。

・越僑の関心を呼び、アメリカや日本、フランスの輸入業者から問い合わせがきている。

・原料の大麦やホップを輸入しているため現在は価格が高めだが、今後は国産原料の比率を高め、価格引き下げと増産を図る意向。

・今後、ホーチミン市のスーパーやコンビニで購入できる見込み。


(参考:VIETJO)※ニュース記事はこちら

ーーーーーーーーー

とのこと。




こちらのプレミアムビール(瓶)はまだ入手できていないので写真はありませんが、

軽くまとめると、下記の通りです。


■ ホアンサ スペシャル(Hoang Sa Special)

ドイツ・バイエルン州の麦芽とホップを使用し、きれいな黄金色に仕上がったゴールデンエール。甘みのある香りとマイルドな味わいが楽しめる。

アルコール度数:6%

IBU:18

※IBU=苦みの基準となる数値



■ チュオンサ スペシャル(Truong Sa Special)

ニュージーランドの麦芽とホップを使用。甘くフルーティーな香りが特徴で口当たり◎

瓶の中で熟成が続くため、経過日数などで風味が変化するトラピスト風ビール。

アルコール度数:6.4%

IBU:12


興味のある方は、公式サイトもご参考に(VN語)






↓ そして、瓶の後に販売を開始した、缶ビール。


【クラフトビール/缶】


入りのクラフトビール「チュオンサ」「ホアンサ」

ホーチミン市内にある韓国系のコンビニ「GS25」で見つけたので、買ってみました。





■ チュオンサ(Truong Sa)


柑橘系のフルーティーな香りが印象的なクラフトビールで、個人的には「ホアンサ」よりもこちらがオススメ

フランスとニュージーランドの、麦芽とホップを使用したビールは、のどごしも楽しめるラガーテイスト。シーフードや肉料理によく合います。


アルコール度数:5.0%

IBU:12



↑ チュオンサのパッケージは、チュオンサ諸島に建てられた石碑と、島を守る海兵隊をモチーフにデザインされたものです。






■ ホアンサ(Hoang Sa)


「チュオンサ」と同じく、フランスとニュージーランドの、麦芽とホップを使用。

適度な苦みとマイルドさを感じつつ、後味は軽やか。

スパイシーな料理やBBQに合いそうです。


アルコール度数:4.9%

IBU:18



ホアンサの缶には、荒波の中を航海する一艘の船が描かれているのですが、

これは、ベトナム最後の王朝と知られるグエン朝の、初代皇帝「ザーロン帝(嘉隆帝)」が1815年、調査・測定のためにホアンサ諸島に部隊を送り込んだという文献の記載をもとにデザインされたもの。


船首にはためく旗に書かれた漢字のような文字は、当時も使われていたベトナム独自の文字「チュノム(Chữ Nôm)」です。



缶の上部にはそれぞれ、

「ホアンサとチュオンサはベトナムに属する」という文言を意味するベトナム語

「Hoang sa - Truong sa la cua vietnam」の文字もあり、


"飲むことで領有権支持の態度を〜"というVietjoの記事を思い出す、愛国心にあふれたビール。



ですが、単純に「クラフトビールにしてはリーズナブルでうれしい(←私)」という理由で、試してみる価値ありです。



ホーチミン市郊外のクチ(Cu Chi)にある工場「REVOLUTION BREWING CU CHI-SAI GON」で、近代的な設備とドイツの醸造技術を用いて作られている、メイド・イン・ベトナムのクラフトビール。一度味わってみては。







【購入場所】


1. コンビニ



購入は、韓国系コンビニエンスストア「GS25」で、1缶21000VND(約100円)程度で購入可能。

クラフトビール(缶)の相場が、大体3.5万VND(約170円)〜というイメージなので、約100円で飲めるクラフトビールは、なかなかお手頃です。


「チュオンサスペシャル」など、瓶のプレミアムビールは、販売している店舗が少ないのですが、こちらは1本6万2000VND(約300円)程度です。




2. デリバリー


配車・デリバリーアプリ「グラブ(Grab)」「Mart(Di Cho)」ボタンから、デリバリーが可能。

製造元の「ゼーファーラー・プレミアムビール(Seefahrer premium beer)」の名前で検索すると出てきます。


価格は、チュオンサ・ホアンサビールの24缶入りケースで 41万8000VND(約2000円)。※送料別




3. カフェ


製造元が運営する、サイゴン川沿いのカフェ「ゼーファーラーカフェ(Seefahrer Cafe)」でも、楽しむことができます。


少々ローカル感はありますが、

悠々と流れるサイゴン川を間近に眺めながら、クラフトビールを楽しむひとときも素敵。


「チュオンサ ビール」などがメニューにない場合もあるので、そのときはスタッフに確認を。



テラス席からは、建設中のトゥーティエム2橋(Cau Thu Thiem 2)やヴィンホームのビル群など、開発の進むホーチミンの街が望めます。




ベトナム料理や洋食などのフードもあり、もちろんコーヒーなども用意。



クラフトビールは、「チュオンサスペシャル」などのほか、

味わいの異なる、下記 4種のオリジナルビールが揃っています。


・香ばしいダークビール「SMOKY」

・数回発酵することでフルーティながらストロングな「INSPIRATOR」

・高級ホップを使用した苦みを味わう「B49 IPA」

・フルーティーな香りときめ細かな泡を味わう「TRAPPIST」


価格は、グラス(330ml)で 5万9000VND(約280円)〜です。




カフェの場所は、

バクダン埠頭高速船乗り場(Ga Tau Cao Toc Bach Dang)


↑ カフェ外観


水上バス乗り場(Bach Dang Waterbus Station)から、4区方面に向かって200mほど進んだところに、高速船乗り場があり、チケット売り場裏にカフェがあります。



【Seefahrer Cafe】

  10B Ton Duc Thang, Q.1, HCMC

  7:00〜23:00

  0983・202・001

Map https://g.page/seefahrercraftbeer?share





ホーチミンのクラフトビール市場に加わった、

ベトナムらしいパッケージの、新ビール。


話題づくりに飲んだり、手みやげにしてみるのもいいかもしれません。



Seefahrer premium beer/ゼーファーラー・プレミアムビール

FB www.facebook.com/seefahrer.premium.beer

HP https://saigoncraftbeer.com