絵本『なぞなぞのみせ』
今回は親子で楽しい時間が紡ぎ出せる絵本を取上げます。
昭和世代の私にとってはあるある満載の見ているだけで懐かしい作品です。特に薬局のページにある佐藤製薬のサトちゃん&ケロちゃんは指にはめて遊び、薬局の小父さんに乗せてもらった動くサトちゃんに興奮した記憶が甦ります。
各店舗細かな商品が描かれ、子供が喜びそうな店先に不釣合いな生き物の姿がありユーモアにとんでいます。おばあちゃんと孫娘のお店巡り50問のなぞなぞを楽しんでみましょう。
4歳を過ぎ言葉の力がある子は私に対し「せんせい、なぞなぞだすよ。」と突然なぞなぞを出してくることがあります。とはいえこの年齢のなぞなぞはとんちを効かせた一捻りあるものでもなく、韻を踏んだ駄洒落を効かせたものでもありません。対象物を連想させるクイズに近いものばかりで、出題内容や出題方法からその子の持つ言葉の力がそのまま反映されるため把握することができます。
文房具店に洋品店、時計店、手芸店、八百屋に本屋、ケーキ店、薬店、お花屋さん、お店で買ったものが広げられた和室の居間。各場面ごとに細かな部分まで描かれています。特にものに目が奪われがちですが人々の表情にもの選びを真剣に考えていたり、買って欲しいとせがむ子供、美味しそうだ背伸びをしてケーキを覗き込む様子、買い物疲れしたのか退屈なのかいすに座り足を伸ばす孫娘などに目を向けるのもまた楽しい。
先ずはクイズではなくイラストに注目し、何が陳列されているのをよく見て店の名前を考ええてみましょう。何が描かれていて、それはどのようなもので、どのように使われるのかを親子で一緒に考え会話するのも楽しいです。
文字のみだけのクイズは相当な語彙力とイメージ力が無ければ難しいものですが、右ページのイラスト手掛かりとなり理解が進みます。問題文をしっかりと読んで考えること、面白い言葉の発見や予想だにしないものの見え方や考えに気付くことができます。言葉の力を付けるためにも何度も繰り返し読んで見て楽しみましょう。また掲載されている50問以外に自らクイズを作り出題することができるようになるとさらによいでしょう。
初めて出会う言葉は問題にできない傾向があります。先ずは親御さんが問題を作って答えさせることを練習してみませんか。