なぜサイバーエージェントを退職してアフリカなのか
※長文のため、いくつか過去記事のリンクを引用してなるべくコンパクトにしています。詳細気になる方はリンク先もご覧頂けると嬉しいです。
12/9に6年半お世話になったサイバーエージェントを退職しました。
直接ご報告ができていない方には申し訳ないと思っています。
そもそもですが、サイバーエージェントは最高の会社だと思っています。
辞めるつもりなんて毛先ほどもなかったですし、未だに実感がありません。サイバーエージェントへの熱い想いは別途こちらに長文があります↓↓↓(笑)
ただ、後付な気がして嫌ですが、今回のアクションに繋がった心境面を客観的にまとめると、ざっくり以下のような形かと思います。
▼そもそものきっかけ
①心境面の変化
・年齢(30歳という節目の年齢前後は相当悩んだ)
・今のままの人生でいいのかという想い
・姉の国際結婚(海外の文化に触れる)
・身近な仲間の転職、独立、結婚、出産などの節目(都度自分に問いかける日々)
人生1回きり、いつ死ぬかも分からない中で、「これって本当に自分が人生賭けてやりたかったことなのか?」という想いが日に日に強くなって行きました。年齢は相当大きかったです。
ニュースで流れる不慮の事故や3.11のような災害とかも含め、極端な話、「明日死んでもおかしくない」というのがよりリアルに感じられてくるようになり、どうしようもなく自分の人生に焦りとか不安を抱いてました。
②Actionを起こさなければ何も始まらない
アイデアに価値はない、というのは良く言われる話ですが、本当にそう思います。
バズワードになりつつありますが、「人工知能」によってほぼ全ての「作業」が代替可能になっていく時代が近い将来確実にやってくると思います。
そうした時に、実際にActionを起こした個人の経験・体験こそが価値をもつ時代になってくるはずです。(人間独自の感情とか心境とかが関わってくる領域)
より人間が人間らしく活動して思考して行く時代が来るのに、このまま留まっている自分はどうなのか、という焦りもありました。
③理不尽なことへの嫌悪感
色々なきっかけが相まってますが、「途上国」の存在には実は小さい頃から興味はありました。そもそも何故そんな貧しいところがあるのか?
先進国にズブズブの僕の頭では理解どころか想像すらできませんが。
以下リンクに書いたイベントでも感じたのですが、結局、そんな理不尽なものに対する『シンプルな好奇心』と、性格的なものから来る『嫌悪感』が、今の自分を突き動かす根底にあるのだと思っています。
また、ポバティインクと言う映画を観ても感じたのですが、先進国から途上国への理不尽な「善意の押し付け」も世の中にはあるのだと知りました。
結果的に彼らは経済圏から阻害され、資本主義から取り残され搾取の対象となっていく。
自分が誰かの人生をどうにかするなんておこがましいとは思ってますが、せめてその手助けをできる人間でありたいと思います。
④イノベーションの宝庫
IT普及をトリガーにして、世界はよりボーダーレスになっていき、めまぐるしく変化しています。
GoogleやFacebook、Amazonなどのメガグローバル企業が覇権争いを繰り広げていますが、途上国でもまさにイノベーションがそこかしこで起こっており、シンプルに超面白い。
自分も本格的に調べるまで誤解してる部分が多々ありましたが、ヘタしたら日本より先進的なサービスもあったりします。
ある尊敬するアフリカでの経営者の方がこんな事を言っていました。
『アフリカは今後2050年までに起こり得る全ての課題を孕んだ大陸だ。
同時に、最も大きな、そして多くのイノベーションが起こる大陸でもある。』
日本の平均年齢はどんどん上がっていますが、途上国では平均年齢が未だに20代の国なんてザラにあります。人口ピラミッドが末広がりの形なんです。
近い将来の膨大な市場がそこには広がっているわけです。
何よりもシンプルにワクワクする市場がそこにはあって、根底には「そこに関わっていたい」という想いが強いのだと思います。
⑤グローバル市場の波
・Brexit
・米国選挙のトランプ政権
・フィリピンのドゥテルテ大統領の統治
・中国の深センの成長
・イスラエルのStartUpの盛り上がり
・華僑/印僑の世界への進出
など、世界を見渡せば市場は大きく動いています。
少し途上国の文脈とは脱線しますが、
「いつか海外を飛びまわって仕事をしたい」
「海外に出て自分の力を試してみたい」
という漠然とした憧れは持っていましたが、同時に焦りも凄くあります。
グローバル市場の中で置いてかれているような感覚です。
色々な市場にアンテナは広げているつもりでしたが、最近のように途上国へのActionを起こし始めてからは、改めて知らない事の多さに対する恐怖を感じています。
現状のままでは間違いなく、日本に留まっているビジネスマンの市場価値は落ちていく一方だとすら思います。
▼なぜ退職という選択肢なのか
ここまでの内容だと、別に会社を辞める必要はないのではと思います。
自分でもぶっ飛んだ選択肢だし、もう少し予防線を色々と張って行動した方が良かったのかな、とか考えます。
確かに、自分の中で意地になってしまっている部分もあると思いますが、今後の自分の人生を俯瞰して考えた時に、中途半端な選択はしたくなかった。
「1ヶ月くらい休職して行ってきたら?」と言われたりもしましたが、そんな短期間で分かる事なんてたかが知れてると。
一度きりの人生、思い切り振り切ってアクションしていくのもありかな、と。
人生って振り切ったほうが面白いですし。
オトナになるにつれて皆ここらへんに二の足を踏んでアクションまで起こせない人が多いのかな、と感じてしまいますが、人間いつ死んじゃうか分かりませんし。
そうとなれば、あとは期限だけ先に決めてしまって、そこに至るためのTODOを洗い出してひたすら帳尻合わせに行く日々。もうエイヤッ、でやっちゃう感じ。
この決意に至ってからは、とにかく色々な方に会わせてもらう日々でして。
そんな中で、始めは支援やボランティア軸で考えていた自分の考えも変化していきました。
ODAなんかの政府開発援助も、国のフェーズなどによってもちろん超大事なんですが、間違った方向性も孕んでいて、なんとなく自分が目指す方向性とは違ったんですね。
(もちろんそうじゃない素晴らしい活動が世の中にはたくさんありますが)
支援などの一過性のものではなく、持続可能性のある『ビジネス』として入った方が、現地の人は自立的に継続して所得を上げて行ける。何よりもその方が面白そう。
(今までビジネスの第一線で働いていた自分の経験も活かせるし)
一方的・一時的なものではなく、現地で雇用を産み出し、自立して稼いでいける道を一緒に作る方が素晴らしい。
そのために、どっぷり浸かり込んで泥臭くやっていくんだ、と。
じゃあ、中途半端にならないように退職して退路を絶ってしまった方がいいな、と。
ざっくりそんな感じです。
▼今後の過ごし方
情報はだいぶ集まりましたが、それでも現地の歴史・宗教・地理・文化…etc、知らない事だらけです。渡航までの残された期間で、みっちりそこらへんは勉強したいと思います。
現地に行ってから後の人生はどうなるか本当に読めないところですが、大枠として、
①BOP層へのインパクト(事業を興し、雇用を産み出し生活水準を引き上げる)
②現地の起業家との繋がり(iHub、KLabなど見てみたり)
③日本人の価値観を変えるロールモデルになる
てな感じで、発信とかも含めてやって行きたいなーとか考えています。
具体的には、東アフリカ中心に周ってみたいと思っています。なぜ東アフリカなのかの詳細は割愛しますが、
・比較的安全なエリア
・今後の成長性にポテンシャルを感じる(East African Community)
・日本人経営者で活躍している人が多い印象
といったところでしょうか。
(※もちろん、西アフリカなどの他エリアや、アジア新興国も興味あるので、今後変わる可能性は全然あり得ます)
国としては、
・ケニア
・タンザニア
・ルワンダ
・ウガンダ
・マラウイ
・モザンビーク
・南スーダン
あたりです。
また、日本で活動しながら色々な方とお会いしている中で、「サービスは起ち上がってきたのだけど、その後の拡販に至るマーケティングがちょっと弱い」などの課題感も多かった印象です。
このあたりは、自分の経験して来たDigital Marketing領域のナレッジは強みとして活かせるんじゃないかと考えています。
実際、幾つかお誘いのお声がけも頂けたりと有り難いかぎりです。
現地人と一緒に進めているプロジェクトも既にあったりして楽しいです。
ですが、まずはフラットな目線でアフリカと言うものを見てみたく、最初は何も決めずに行こうと思っています。ワガママで贅沢な話ですが。。
数か国を周りながら、日本で築いた人脈の方に挨拶に周らせてもらいつつ、自分の目で見て肌で感じて、今後の生涯を賭けてやりたい事を決めたいと思います。
と言っても、やっぱ全然違ったわーって帰ってくる可能性もありますけどね。