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痩せない豚はただの豚か。それでも愛おしい自分の身体

2020.12.23 10:26


今年に入って事件が起きた。
結婚式を挙げてから約1年、体重が10キロ近く増えた。
見た目も明らかに丸くなった。
スルッと入っていた服が着られない。お気に入りのタイトスカートも、ニットワンピースも、ハイゲージのリブニットも。

もともと痩せ型で、食べ過ぎても少し気をつければ元に戻っていたし、これまでの人生でダイエットなんてしたことがなかった。

やばい。痩せなきゃ。

片っ端からダイエット本を読み、医学的エビデンスに基づいた理論を集め、実行した。
1ヶ月経てど痩せない。3ヶ月は続けないと結果は出ないと読んでいたから、後2ヶ月頑張ろう。

3ヶ月経った。体重はおろか体脂肪率もピクリともしていない。

大好きな炭水化物を減らし、タンパク質と野菜をしっかり取り、食べる時には低GI値の食品から食べて血糖値の上昇をゆるやかにし、適度な筋トレを欠かさずやる。

そんな「理論上は完璧」なダイエットを3ヶ月続けていたのに、1kgも1%も変化がないってどういうこと⁉︎

流石に心が折れた。

太った原因は分かっている。
うつが酷かった時、過食と飲酒に走っていた時期があった。明らかにその頃にガンと増えた。
もしかしたら薬のせいもあるかもしれない。
いずれにしても、自分が食べたから太ったのは事実だ。

理性的に考えれば考えるほど辛くなった。
健康な時はあんなに痩せていて、自分でも自分のスタイルが好きだったのに。
うつにならなければ、過食にならなければ、こんなことにはならなかった。

グルグルとそんなマイナスな感情が渦巻いていく。

ある時、悩むのにも疲れて、全てが面倒になり、体重計に乗ることをやめた。
筋トレも気が向いた時にだけやることにした。
痩せていた時に着ていた服は全部箱入れて見えないところにしまった。

あれほど憎んでいた「ルッキズム」に縛られていたのは紛れもなく私自身だ。

メディアが是とする美しさに捕らわれ、そこから外れてしまった自分の体型があたかも醜く、劣っている、恥ずかしいもののように思っていた自分。

無意識に刷り込まれた美の固定観念が浮き彫りになった瞬間だった。

ダイエットが悪いとは思わないし、痩せて綺麗になりたいと思い努力することはとても尊く美しい。
でもはき違えてはいけないのは、「痩せた姿が美しい」のではなく「理想の自分に向かって努力する姿勢が美しい」のだということ。

その結果、思うように痩せられなくても、人から茶々を入れられようとも、自分を愛するために努力した自分自身を抱きしめてあげて欲しい。
「よく頑張ったね」と褒めてあげて欲しい。
他の誰でもない、あなた自身が、あなた自身を。

私はというと、相変わらず平日はゆるく糖質制限を続け、気が向いたら筋トレをし、半身浴に勤しんでいるけれど、やっぱりまったく痩せない笑
(ここまでくると、もはやコントかな?と思えてきた)

それでも、この生活を半年継続している自分がなんだか可愛いなと思うし、ポヨンと出たお腹も見慣れてくると愛おしくなる。

「ボディポジティブ」なんてかっこいいことを言うつもりはないけれど、どんな体型だって愛すべき自分の身体。ずっとお付き合いの続く、大切な相棒なのだ。