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Write It Down

言葉の虜

2016.05.31 14:17

「好き。」「美味しい。」「おしゃれ。」「かわいい。」「何か良いね。」

ぼくたちはいつも自分の感情を、こんな言葉たちでラッピングして相手に送る。

でも、そのラッピングは解かれることなく、若干消化不良のまま相手の頭を素通りしていく。

「好き。」「嫌い。」とかそんな簡単な形容詞でしか

自分を伝える方法を知らないから、

複雑で入り組んだ感情は、その半分もたぶん相手には伝わらない。

「好き」っていう言葉の意味以上に、誰かや何かのことが好きでも、

それを表現する言葉を知らず、もどかしくなるときがある。

「好き。」「嫌い。」

こんな形容詞は、必要以上に自分の感情を覆い尽くしてしまうから、

相手は、その言葉自体は理解してくれても、細かな感情までは読み取ってくれない。

もちろん、ぼくも正確には読み取れない。

だから、何が言いたいかって、言葉って難しい。

形があるようでないともいえる感情を、半ば無理やり、

定型の枠(言葉)にはめ込まなくてはいけないから。

でも、だからこそ、言葉の難しさがある場所に、

小説や詩の素晴らしさが同居している。

自分が抱いたことのある複雑で繊細な気持ちを

、小説や詩は代弁してくれる。言語化してくれる。

自分でもよく分からなかった自分の感情を、

小説や詩の方から歩み寄ってきて、それを教えてくれる。

そんな言葉との素敵な出会いを増やしていって、

言葉と感情とのギャップを少しでも解消できたらなって思います。