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Hana ノ Namae

御前の舞姿 ヒトリシズカ

2021.05.19 12:55
(2021/5/15 青森市雲谷)


一人静(ひとりしずか)

センリョウ科チャラン属/多年草


平安時代末期、源氏と平家とに日本を二分し合戦に明け暮れた時代を駆け抜けた武将・源義経(1159-1189)が寵愛したと言う白拍子の御妾・静御前。


「吾妻鏡」の中に、義経との逃避行の最中、大和国の吉野山で義経と離れた後に僧兵達に捕らえられた静御前。その際に舞を舞って荒くれ者達を感嘆させた、という逸話がある。

輪生する葉の真ん中から伸びた白い毛のブラシのような花の姿を、静御前が一人舞う姿に喩えて『一人静(ひとりしずか)』。

元々の名前は、舞を舞った伝承の土地の名からとって「吉野静(よしのしずか)」と言う。


その他にも様々な舞の逸話・伝説を残している静御前の白拍子の舞とは、どういうものであったのだろうか。鎌倉で源頼朝の前で舞った際の歌と共に現代にまで伝えられ舞われてきた「静御前の舞」というものをNHK大河ドラマ『義経』(2005年)での石原さとみ版で観てみよう。

 吉野山 峰の白雪 踏み分けて

 入りにし人の 跡ぞ恋しき

 

 しづやしづ しづのをだまき くり返し

 昔を今に なすよしもがな


白く伸びたブラシの毛のようなのは花弁ではなく雄蕊の"花糸"という部位。ヒトリシズカの花には花弁も萼もない。

花期は5〜6月。山地の林の中に好んで咲く。一人静かにではなく賑やかに群生していることが多い。


花言葉:隠された美