環境学原論/人間にとって環境とは何か
恩師でもある末石冨太郎先生から引き継いだ科目。末石先生のレジュメを参考に、現代的な枠組みなどを追加しつつ再構築したものです。90分という枠内ですが、前回問いかけ応答+映像+講義+問いかけという毎回盛りだくさんな内容でした。「人間であることが嫌になった」「見るのがつらい」といった感想がありました。田尻宗昭さんの朗読回では、毎回よむごとに涙ぐんでしまうと共に、自身にも刃を向ける時間でした。
(1)授業のねらいと内容
環境問題とは単なる解くべき客観的問題ではなく、かかわる自分の立ち位置も問われる難しい問題である。自然を含む環境の中に自己を位置づけ直す新しい学問体系を展開する。環境問題の複雑な絡みあいと、その中に翻弄される人間を描き出す。歴史の中で生成されてきた「環境」という概念の扱われ方を追うことで、私たちの今までをふりかえる。そのような営みの場から、これからの暮らしを考えていく上で、私たち自身が何をどうとらえていくかを見つけ出そうとする。
(2)到達目標
(1)環境からみた歴史の見方を体得すること。
(2)人間社会の持つ無意識な暴力性について理解を深めること。
(3)自分たちの暮らしを見直す視座を持つこと。「あなたにとって環境とは何か」「生きるとは何か」
(4)授業計画(予定)…事情により変更する場合があります。
(5)成績評価
■毎回のミニレポートの評価100%(回数評価40%+内容評価60%)
①書き込む内容は各回で問いかけます。単純な感想ではなく、自分自身がどうとらえるかを書くこと。
②ミニレポートには提出期限があるので厳守してください。その都度指示します。
③最終回後の追加課題などは一切対応しません。
(6)その他
テキスト:毎回の講義で配布する。プロジェクターを使うので,遅刻厳禁(他人に迷惑)。
参考書:庄司光・宮本憲一『恐るべき公害』(岩波新書),末石冨太郎『環境学ノート』(世界書院),飯島伸
子『環境社会学のすすめ』(丸善ライブラリー),小原秀雄・羽仁進『ペット化する現代人―自己家畜化論か
ら』(日本放送出版協会),小野芳朗『〈清潔〉の近代: 「衛生唱歌」から「抗菌グッズ」へ』(講談社)