第十四回 東春酒造株式会社 (愛知県名古屋市)
「自分が美味いと思う酒が旨い酒」
6代目社長 佐藤幸彦 氏
創業1865年。
名古屋市守山区の井戸水を使い、自家精米した米を、
昔ながらの山廃造りで手造り醸造している。
Interviewee: 社長 佐藤 幸彦(以下 佐藤)
Interviewer: 美宴 吉田 綾子(以下 美宴)
美宴:6代目さんとのことですが代替わりされて何年目ですか?
佐藤: 2002年でしたので17年目になりました。
美宴:蔵に入られた時期はいつですか?
佐藤:27歳の頃から入っています。
他の業種を知らないので、
酒業界の常識が世間の非常識ということも感じたりします。
一度、他の世界からの酒業界を見てみると、
きっと新しい発想もできたりするでしょうね。
美宴:いえ、決して新しく変えることが全てでもなく、
東春さんは昔からの誠実な酒造りで、
正統派なイメージですよ。
佐藤:あまり流行りにはのっていないですね。
吟醸ブームですが、うちは50年ほど前から、
昔ながらの製法を復活させ、
ずっと山廃生酛を続けています。
美宴:山廃にこだわられる理由は?
佐藤:米の味わいを残したい。それを考えた時にやはり山廃だと。
美宴:目指したい味は?
佐藤:旨味があって、コクがあり、キレがあるお酒ですね。
美宴:そのような味わいは愛知の食材にも合いますよね。
佐藤:そうですよね。
この地域はやはり発酵の地なので、味の相性は良いですよね。
美宴:海外への輸出は考えれられていますか?
佐藤:はい。現在は、バンコク、シンガポール、香港に販路があります。
他にもご縁がありましたら是非。
美宴:蔵元さんとして消費者の方々に伝えていきたいことは?
佐藤:そんな偉そうなことは何もないですが、
色々飲んでみて、自分が気に入ったお酒だったら良いということ。
日本人ほど味覚の発達している人種はいないので、
周りの意見に振り回されず、自分の舌をもっと信じてもらいたいですね。
自分の口に合えばそれで良くて、楽しく飲むのが一番だと思います。
美宴:おっしゃる通りですね。
私も楽しい空間で飲むのが一番だと思います。
今後のビジョンは?
佐藤:個性を出していくことです。
杜氏や若い人たちと相談しながら、
ラベルを変えたり、
みんなのセンスを活かしていきたいです。
杜氏 安藤 辰弥氏のインタビュー記事はこちら