あらゆる流れは大海で一つに
Facebook・清水 友邦さん投稿記事 「あらゆる流れは大海で一つに」
公の場で政治と宗教について話さない方がいいというタブーがあります。主義主張の違う人と揉めたくないという気持ちが働くからでしょう。ピラミッド構造の社会では服従しないと生活を失う不安があるため、長いものにまかれていく構造があります。自分が属する体制に異議申し立てすることは負け組にされてしまう恐怖があります。
しかし、未来の子供達に大きな困難を残すリスクがあるとしたら何もしないで傍観するのは問題があります。
日本社会は中央に権威は置いても権力は置かない中空構造なのでしばしば無責任体制に陥ります。原発事故を見れば分かるように誰も責任を取らない無責任体制は最悪の事態を引き起こします。
偏狭な自我をまとった集団が頂点になって組織を動かしてしまうと、システムは次々と変化する出来事に対応出来なくなって崩壊します。
洞察力をもった市民のネットワークが形成されないと、これから日本が荒廃し、不安と恐怖と混乱に人々が陥る可能性があります。
2021年5月11日に憲法改正手続きに関する国民投票法改正案が衆院を通過しました。
自民党は憲法を改正したいと思っています。
自民党の日本国憲法改正草案
https://constitution.jimin.jp/document/draft/
神社本庁の関係団体「神道政治連盟」は神道の祭り主である天皇が親政も行なう祭政一致を主張しています。
祭政一致を主張する神道政治連盟と神社本庁は事務局が共通で一体の団体です。
「神道政治連盟国会議員懇談会」の政治家はつぎのように発言しています。
森喜朗内閣総理大臣(当時)「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知をして戴く(要約)」
元内閣総理大臣補佐官 礒崎陽輔 「戦争はできるんです(要約)」
元政務調査会長 稲田朋美「国防軍を創設する、そんな憲法草案を提出いたしました。血を流さなければ国を護ることなんてできないんです!」
元法務大臣 長勢甚遠「国民主権、基本的人権、平和主義を削除しよう!(要約)」
元外務副大臣 城内実「日本にとって一番大事なのは、皇室であり、国体であると思っております。」
参議院議員 西田昌司「国民には国防の義務がある(要約)」
元文科大臣 下村博文「私たち自民党は、大学入学前に自衛隊等の体験を義務化したいと思います(要約)」
日本国憲法の第21条は、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」ですが改正草案は「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」と追加され秩序、公益が優先され基本的人権が後退しています。
24条の家族と婚姻の基本原則を改正して男女平等ではなく長男が家を継ぐ家父長制度を望んでいます。
自民党の夫婦別姓を議論する組織の全員が男性で神道政治連盟と日本会議のメンバー
https://lite-ra.com/2021/03/-4-3.html
憲法24条の改正に要注意!
https://www.chuolaw.com/letter/letter77/letter77-004/
日吉(ひよし)神社(愛知県清須市)の三輪隆裕宮司(69)は憲法の改正を危惧して次のように発言しています。
「最も危険なのは、緊急事態条項の創設です。首相の一声でいつでも戒厳令のような緊急事態を作り出し、従わなかった国民は共謀罪で取り締まる。その情報は、特定秘密保護法で隠蔽(いんぺい)される。日本が全体主義に突き進むための『3点セット』がそろってしまう。改憲の議論終盤で9条改正を断念する代わりに、緊急事態条項を押し通すというのが一番怖いシナリオです」
天皇崇敬や皇道、国体の理念が広く人々に行き渡るようになったのは明治政府によって教育勅語が発布されてからです。
1888年以降、皇室で神事が行われる日は祭日となり学校で生徒は御真影に最敬礼をし、教育勅語を朗読し、皇室の盛運を祈り、君が代、唱歌が学校の儀式として重んじられました。
子供の頃から学校で教育勅語が刷り込まれたので「皇室を中心に団結して、国体を明らかにしなければならない」という理念が日本人の精神的支柱になりました。
皇室は万世一系の天照大神の子孫であり、神によって永遠の統治権が与えられている神国日本が国体の理念だったのです。
そのため戦争に負けるとブラジルの移民たちの間に深刻な対立が起きました。
負けるはずがない神の国日本の国体と自分を同一化した勝ち組と敗戦の事実を受け入れた負け組に分かれて日本からの移民同士が憎しみ、殺し合いまで起きたのです。
終戦後の1945年GHQによって神道と国家を分離する指令が出されて翌年天皇の人間宣言が下されました。
国家機関の神祇院(じんぎいん)が消滅して民間の三つの神社団体が中心となって大同団結し1946年に宗教法人神社本庁が結成されました。この8万の神社を束ねる神社本庁の設立に尽力したのが神道家の葦津珍彦(あしづ うずひこ)です。
学生運動が盛んだった60年代に失われた神道の精神を取り戻そうと神社本庁の政治団体「神道政治連盟」が発足しました。
74年には臨済宗円覚寺の館長朝比奈宗源、曹洞宗の館長、日蓮宗の館長といった各宗派の仏教の高僧や、カトリック大司教(後に辞退)、明治神宮の宮司、熱田神宮の宮司、真光文明教団、成長の家の理事長などの宗教の幹部が参画して「日本を守る会」が結成され伝統精神の重視、愛国心の高揚、倫理国家の大成、祖国防衛、唯物思想の排除、教育の正常化などの目標が掲げられました。
そのころ占領憲法破棄、明治憲法復元を目指して、左派系学生運動に対抗するため、保守系学生によって結成された日本青年協議会という団体がありました。のちに日本会議の事務局の中心になります。この団体に大きな影響を与えたのが神道家の葦津珍彦(あしづ うずひこ)です。
葦津は「今の憲法は占領憲法だから無効を宣言しろと言っても現実の政治はそんな議論では動かない。そんな議論ばかりしていては反日的な左翼ばかりが横行して、国民精神は混乱して自信と意気を喪失させるだけになってしまう。
憲法の解釈であってもぎりぎりの線まで、日本の国体(天皇中心の政治)の線に一致するようによく解釈させて要求すべきだ。一つ一つ石を積み上げていく努力をせずに憲法改正を絶叫するのは空包をはなっているようなものだ。屈辱の憲法を改正させる大業は根気と不断の努力が必要だ。(要約)」
日本青年協議会機関誌「祖国と青年」1974年11月号」
日本青年協議会は憲法の解釈、運用に重点を置いて、有利な状況を一つずつ勝ち取ってゆく戦略に大転換して、署名を集めたり機関紙を発行したり、嘆願書を議会に働きかける地道な現実路線の努力をしていったのです。
それは元号法制化の運動へと結実しました。
そして、日本青年協議会の後継団体として結成された「日本を守る国民会議」と「日本を守る会」が統合して日本会議が誕生しました。
「日本会議」はどのように誕生し、今日に至ったのか
https://diamond.jp/articles/-/136287
日本の総理に菅 義偉(すが よしひで)内閣官房長官がなりました。
新内閣20人中14人が日本会議のメンバーが選ばれています。
意識の発達段階は入れ子のような階層状になっていて、高次な段階は低次な段階を「含んで超える」という性質をもっています。
意識の発達はその前のレベルを学習して十分に自分のものにしてから上位のレベルに進みます。
幼い子供は自我が未発達で衝動や本能、生理的欲求に反応して生きています。
2歳頃になると概念的な心が芽生えますが自己中心的で利己的です。
幼児は自分と世界を区別してとらえられません。自分自身を他者と切り離して考えることができないのです。
5歳くらいまでは他者の立場に立って物事を見ることがまだ十分に発達していません。
7歳頃から青年期までは自分から自分が属する集団(家族、会社、思想集団、宗教、民族、国家)に視点を移すようになります。
多くの人は「いい子」になって、その集団の思想や信条に囚われて順応して暮らしています。
これを人類の歴史に例えると
0~7歳、狩猟採集から農業が始まった呪術的な時代です。
7~14歳、衝動的な欲求を満たそうとする威嚇と暴力の時代 (レッド/赤)
14~21歳 家父長的な権威主義的な宗教、王権の時代 (アンバー/琥珀)
22歳以降 科学的・合理的・倫理的な資本主義の時代 (オレンジ/橙)
アンバーまでは力のあるトップが暴力と権力によって支配する時代でした。
オレンジは競争して成功した少数の経営者が富を独り占めにする時代です。
自分の属する集団だけの繁栄を望む支配と独占のパラダイムは人々を幸せにしないことがわかって公平、平等(グリーン/緑)の考え方が生まれました。
そして、宇宙船から地球を見るようになって、ついに統合的なティール(Teal/青緑)の段階が現れたのです。
その意識の段階は固定的ではなく虹の色のように連続的に変化します。
すべての存在は関係性で成り立っています。
グリーンの段階になると惑星全体の利益を代弁する政党が台頭します。
今の政治政党は野党も政権政党も真の持続可能な政策を実現するまでの過度期の政党といわざるをえないでしょう。
共産主義も資本主義もティールの前段階です。
あらゆる主義、思想、宗教組織、左翼も右翼も仲良く、どのような河の流れも母なる大海と一つになります。あらゆる流れは必ず大海に流れ出るからです。
家父長的な権威主義的な段階を求める神社本庁と日本会議の意識段階はアンバーの段階にあると思います。
硬直した組織の神社本庁は相次ぐ有力神社離脱と金銭スキャンダルで揺らいでいます。
「瓦解する神社」
https://diamond.jp/articles/-/134148
環境が変化すると古い自我では対応出来ないのでゆらぎが起きて古い自我は崩壊します。
生命や社会システムは散逸構造をしており、危機に直面すればその形態を変えダイナミックに進化してゆきます。
ゆらぎが起きているときは古い自我に別れを告げる最大のチャンスなのです。
愛と思いやりの意識の発達は前の発達段階を含んで超えて拡大し成長していきます。
レッド(赤) = 私
アンバー(琥珀) = 私+私たち
グリーン(緑) = 私+私たち+すべての人々
ティール(青緑) = 私+私たち+すべての人々+すべての存在
ティールの段階では人種、性別、宗教、階級、信条の違いに寛容になります。
意識が統合されて自我に気がつくようになると自分が属する集団の外の視点から物事を見るようになります。
地球のあらゆる生命体は互いに関連しあって生きていることがわかるようになります。
アメリカで初めてのゲイパレードが行われたきっかけは1969年6月28日のニューヨークのグリニッジビレッジのゲイバー「ストーンウォール・イン(Stonewall inn)」の反乱からです。
1968年はジェンダー、LGBTへの理解が広まり、性別のあり方が見直されてきた象徴な年でした。
1969年7月ケネディ宇宙センターからアポロ宇宙船が打ち上げられて月に到着しました。
その時、初めて人類は本当の自分の姿を客観的に見る事ができました。
月から見る地球に国境線はありません。
人類は地球人というアイディンティを持つようになったのです。
1960年代からグリーンへの意識変容が始まり男女の特定の役割が解放されるジェンダーフリーに社会が寛容になってきました。
人類の意識は現在、社会的なアンバーの段階から普遍的なグリーンの段階へ成長しつつあり、やがて統合的なティールの段階へ変容しようとしています。
コロナ禍が起きている今は外側と内面の変容が世界で同時多発的に起きて次の文明へと流れる大きな潮流の転換点が起きている時代なのです。