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清貧農民・杉山あきら 国会への道 80

2021.05.21 05:46

僕と日本共産党 (4) 「党支部なんてないだろ、あの村には・・・」


それからは同志のみんなの助けを借りながらいろいろ学び始めた。
「空想から科学へ」「賃労働と資本」「フォイエルバッハ論」あたりが思い出深い。
学友会の委員長もやらせてもらい、都内の学生たちと日比谷野音で集会をし、そのまま国会方面へデモ行進などやったものだった。
「たまにはフツーの学生っぽいこともやろう!」と谷川岳にスキー合宿に行ったりもした。昼間は滑り、夜は一つの部屋に集まり、ずっと寝る時間までマルクス、レーニンの学習会をした。
マルクスが提唱する「労働時間を減らし自由な時間を拡大することで、人間の個性・可能性を開花させる社会」というのに堪らないロマンを感じていた。


やがて社会人となり、大宮の居住支部に転籍となった。
ここではみんな仕事を持っているので、学生支部のように「理論の導くところならどこまでも!」という感じは薄らいだが、やはりみんな勉強熱心で献身性があり、青年のような夢・理想を持っているという点で、同じ人種が集まっていることに感心した。
みんな仕事疲れのある中、毎週1回の支部会議が保たれていた。
そして9年ほど経ち、今度は秋田県に移住することになるわけだが、東成瀬村がたいへんな山の中の小さな寒村ということで、僕は「まず、あそこには党の支部なんてないだろうな」などと考えていた・・。

(つづく)