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梨の日

小松台東『てげ最低な男へ』

2021.05.22 09:29

先日、の競泳水着に続いて。


小松台東『てげ最低な男へ』




…なんでか、こちらも“2番目”の女(の子)が主人公だとかで…つい。←

競泳水着も、ひと足お先に観せて頂いた映画『男の優しさは全部下心なんですって』も、男運の悪い女性たちが主人公、という。


今までは”2番目“の女は物語でも1番にはなれなかったのに…時代は変わりましたねと、私まで嬉しくなったし過去の私に教えてあげたい。謎)



小松台東の“てげ最低な男”たちは、思ってたのとは少し違うタイプだった。

女の思う(または経験済みの)最低な男を物語で描くとちょっと違う。

私は女なので、勿論そちらの方が共感しやすいのだけど。


こちら、本当に個性溢れる最低な男ばかりで。爆)

違う角度からの、主人公の男運のなさに心で涙を流したよ。。笑)


出てくる男がことごとく別種類の最低さを持ち合わせていて、しかも面白いもんだから、ため息つきながら笑ってた…。




2部構成で、2007年、高校生時と。

2021年、大人の今を描いてた。

実年齢で言えば私と変わらない主人公。


演じた小園茉奈さんは、なんで私と知り合いなのか疑問に思うほど繊細で、目を惹いて。。←

前半は女子校生にしか見えなかったし、お母さんとの関係も成立してるの凄くないか。




彼女は、昔から今もある悪い状況から脱出として、“結婚(恋人)”を選択した。


観終えた直後は正直、ちょっと引っかかってて。

「結婚は女の逃げ道」なんて昭和から聞いてるし、え、それを現代でも…?

相手がいないと解決できない方法が、少し寂しかった。

これが田舎の呪い的要素として選んで描かれてるなら、それはそれでゾッとする。笑)



けれど。

最後の最後に、お世話になった叔父さんへ放つ言葉が、強くて。

理論もくそもない、けれど、潔い言葉と強さがあった、「私にはこうでしか出来ないから」。

正確なセリフは覚えてなくてごめんなさいですが、、これがあったから、私は観て良かったと思えた。



彼女が、自分で選んで掴みに行って脱した。

アナタを頼らずとも、幸せになる。

それが“てげ最低な男”への復讐になったんだよ、きっと。



さすがに、あれだけ色んな男がいる中で全部をぶつけられて…

アノ人が不憫にも思ってしまった…。

確かにラスボス級の裏切りではあったけど。笑)


それまでお世話になった恩や、生活は忘れないって言ってた。

そうであって欲しい。

過去と、起きてしまったあの事とはまた別ではあるから。

女は上書きするんじゃなくて、ちゃんと別ファイルにしまっておけるハズだから。



しかしあれだけの好感度を地の底へ陥れたという…

ひっくり返せたのも、役者の力の説得力があったから。

そしてまた、何故か切なくて情けなくて、どうしようもない気持ちにさせられてしまった。

のが、ニクイよなぁぁ…!悶)


お母さんの、低空飛行で、でも律した態度と歌声も離れない。

嫌いになれない絶妙さが、たまらなくって。。



と、

気づいたらフィクションの世界に どハマりしてた。

エライところへ飛ばされたのでした。



帰りに思わず買ったビールが複雑な味だった。

こんな味も気持ちも、観なかったら体験出来てないものね。




移り行く季節と心情を、光でも誘い、視覚的に十分に説得させ。

導入の音には鳥肌で、目の前がすぐに開けていった。

舞台装置の変化で、まさか冷蔵庫までが変わるだなんて驚愕。爆)


舞台セットと分かってるのに、あのお家に上がりたかった。


まるで映画にしたくなるリアルさがあるけど、最後はやっぱり、劇場でなきゃ味わえない。

脳内が楽しめない。




三鷹の星のホール、本当に素敵な作品ばかりだ。。

久々にこの劇場に来れて、小松台東で来れて良かった。


故郷の言葉が、しいて言うなら福島の南相馬訛りの私だけど特になくって。

小松台東の宮崎弁はずっと憧れで、聞きに行きたくなっちゃうのよね。魅力的。


全編長崎弁だったあの頃を少ーしだけ思い出すなぁ。

絶妙なフィクション、不思議な出来事。

劇場だから。


そういえば緞帳降りたの初めて見たな。笑)




公演は5月30日まで。

無事に千穐楽まで辿り着けますように。