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NPO法人YouToo

女を「敵」にしたのは・・・?

2021.05.23 09:22


子どもの頃は意識していなかったけれど、大人になっていくにつれて感じる男女の差。女性であるがゆえ割に合わない思いをすることはよくある。そんな不平等感のある中、一歩でも先を歩くと足を引っ張るのは男性ではなく、実は女性だったりするのだ。

最初に感じたのは、大学に進学した時だった。ちょうどバブルが崩壊したぐらいの年だ。お盆に母親の実家に帰省して、大学生になったことを伝えると、親戚のおばさん達からネチネチとした反応が返ってくる。こぞって「女が大学行くだけムダ」「金の無駄遣い」「資格なんてとれるわけがない」などなど。そういえば、頭の良かった従姉が都市部の進学校に下宿した時にも「退学した」「下宿代が払えなくてバイトに明け暮れている」などひどい噂が飛び交ったのを思い出す。親戚のおばさん達が住んでいたのは地方の農村地帯である。おばさん達が十代だった頃、女の子は大学進学ができないばかりか、高校も近所で通えるところしか選択肢がなかった。その鬱屈した気持ちが私や従姉に向かったのだろうと今になって思う。

次に感じたのは子どもを学童に入れるとき。都市部は働く母親が多いので、学童保育に入れるのは至難の業である。年に一回募集があるのだが、たいていはフルタイムで働く人から優先になる。私はシングルマザーだったからフルタイムでしか働けなかった。収まらないのはパートタイムの母親である。パートでもフルタイムでも、学童に子どもを預けないと夕方まで働けないのは同じだから、みんな必死だ。あまりの激戦ぶりにパートタイムのママ友から妬みに近い言葉が飛び出る。「フルタイムはお金あるんだから、お金払って民間に行けばいいのに」

大学に行けない、子どもが学童保育に入れないことで妬まれる。本当だったら社会がもっと女性に対して平等だったら沸き上がることはなかった感情ではなかったか。その社会の不満をぶつける先が間違っている。同性同士で足を引っ張りあってもいつまでも前には進めないと思う今日この頃である。