DJI X5Sカメラの活用 – 短編映画「The Circle」メイキング編 (3)
DJI X5SはInspire 2を真の映画撮影ツールへ
パート1とパート2を通じて、DJI Inspire 2はプロの映画撮影者向けにデザインされた機体であることをご紹介してきました。Inspire 2に搭載するX5Sカメラはそのコンセプトに沿った製品です。DJI製のカメラ史上、もっとも高解像度かつ幅広いダイナミックレンジを有し、映画製作者はポストプロダクションの工程で映像のディテールや色情報を存分に生かすことができます。
今回は、X5SカメラがX5やX5Rと比較してどのような点が向上したのかについて解説していきます。
5.2Kの解像度
X5Sカメラは、5.2Kの解像度を誇るマイクロフォーサーズセンサーを搭載しており、同一の映像からワイドまたはクロップさせた状態でも解像度を損なわず、映像をより滑らかにするワープスタビライザーを活用した場合も映像品質が損なわれにくくなります。
みなさんは、5.2Kの動画素材は編集時するには相当重たいと思われるかもしれません。実は、X5Sカメラは同時に1080pのプロキシーファイルも収録しているため、膨大なプロセッサーパワーなしで編集することもできるのです。さらに、プロキシーファイルはカメラ側にあるSDに保存されるため、素材をSSDから抜き出すために特別なツールを用意する必要はありません。ラップトップPCさえあれば良いのです。
交換可能なカメラレンズ
前世代機と同様に、X5Sカメラのレンズも交換可能であるため、各シーンに合わせた柔軟な撮影が可能になります。X5Sカメラは9mm から45mmまで(35mm換算で18mm – 90mm)全8種のレンズに対応しており、今後もそのラインアップは追加される予定です。
暗所での撮影に優れ、幅広いダイナミックレンジを実現
X5Sのダイナミックレンジは12.8ストップを誇り、ノイズリダクションや色感度が共に向上しています。X5SカメラはSN比で18%性能に優れ、X5Rよりもさらに色感度が高まっています。これにより暗所での撮影時にその威力を発揮し、前回紹介した記事中のメイキング動画で詳細が語られていますのでぜひご覧ください。
フレームレートの増加
X5Sカメラでは4K(4096 x 2160)60fpsでの収録も可能で、高解像度のスローモーション映像を観れば4Kの美しさをより体感できることでしょう。
高解像度のスチール撮影
ここまで静止画についてあまり述べてきませんでしたが、X5Sは、前モデルよりも大きなセンサーを搭載し、2000万画素の静止画をJPEGまたはAdobe DNG Rawフォーマットで撮ることができます。
プロの現場で求められる機能・性能に加え、コンパクトかつ軽量なX5Sカメラを搭載するDJI Inspire 2は、今後様々な映画撮影で活用される業界標準のツールとして定着する可能性を大いに秘めています。
次回は撮影後のポストプロダクションでの編集工程についてご紹介します。
INSPIRE SHOWCASE SERIES, SPONSORED BY DJI
記事原文:No Film School 掲載「Introducing the DJI X5S」(2016年12月6日)
短編映画「The Circle」メイキング編
- パート1:DJI Inspire 2で撮影した初の短編映画
- パート2:DJI Inspire 2を撮影に使う4つの方法
- パート3:DJI X5Sカメラの活用
- パート4:ポストプロダクションで活きるDJI Inspire 2とZenmuse X5Sカメラ