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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

アメリカ独立14-米独立承認パリ条約

2021.05.24 11:28

1783年9月、パリ条約が締結され、アメリカはミッシピー川以東の地域で独立が承認された。さらに英と仏西間では、ヴェルサイユ条約が締結され、フロリダが、イギリスからスペインが獲得し、1821年まで領有する。フランスはセネガルを獲得した。イギリスとオランダは、あと1年第4次蘭英戦争を戦う。

この戦争で、イギリスは2万人の兵が死に、8千万ポンドを費やした。フランスは13億リーブル(約5600万ポンド)を費やした。ただの援助としてはずいぶん使ったものである。これは独立アメリカが返済するがそう簡単にはいかない。費用の割に得たものは少なく、財政危機は深刻を極めることになる。

後の文豪シャトーブリアンは、この年ブレスト港で仏海軍が帰還するのを見た。それはまるで勝利したローマ軍のようだったと、妄想に浮かれて書いている。自由の守護者としてなんとルイ16世の銅像が建てられた。アメリカものが読まれ、語られ、フランス人は、世界の再生のようなものを見ていた。

アメリカ独立戦争に参加したセギュール伯爵は、やはり自由のために戦うと勇み、フランスにも自由が欲しいと手紙に書く。しかし戦争後のフランスの惨状でこう書くのである「我々は花の絨毯を陽気に踏んで進み出てきた、その下に奈落の淵があるとは想像もせずに」

下はベンジャミン・ウェストの「パリ条約」イギリス代表がモデルを拒否したため未完