旅のチカラ、旅のカケラ

アジアの変化

2008.03.13 08:55


暑さが厳しかったスコータイを離れ、

タイの北部、パーイへやって来た。

山岳地域に地域に位置し、周辺には山岳少数民族の村が点在する。

いよいよ辺境の地だ。


実は昨夜、チェンマイに到着し、

「ここでゆっくりしようか?」などと話していた。

しかし、チェンマイ名物のナイトマーケットに出かけ、その考えはパタリと消えた。

2年ぶりに訪れたこの地。あまりに変わってしまっていた。

なんでこんなに物価が高いのか?この旅を始めて、うすうす感じていたこと。

それはアジア諸国の物価の上昇。

ちなみに2年前の『地球の歩き方』を参考にしてるのだが、あまりに値段が噛み合わない。

宿も食事も交通手段も…高い。しかも値切ったって、なかなか折れない。

挙句には「バーイ」と手を振られてしまう。

どうしたアジア!何があったんだ??


それには2つの理由があった。

1つはガソリン価格の急激な上昇。

この問題は当然日本だけじゃなく、世界中が苦しんでいる。

燃料費を捻出するため、物価が軒並み上昇したようだ。

もう1つは欧州組のアジア進出。

どこへ行っても目にするのは、フランス、ドイツ、スペイン人。

彼らを取り込もうと、観光地にはオシャレなカフェバーやジャズバーが乱立し、

そこで優雅にくつろぐ欧州組。もうスタバなんてコンビニ並みにあるし…。

彼らの持つユーロパワーはすさまじく、現地の物価上昇に拍車をかけているようだ。

この2つの要素がアジアを変えつつあるようだ。


出発前に誓った「1日1800円生活」。バスで移動する日にはすぐに赤字…。

毎日、屋台ごはんと安い水でしのいでいる。

うぅぅ、わびしい…。


バンコクの北方約720キロに位置するタイ第2の都市チェンマイ。

「北方のバラ」とも称される美しい古都である。

1296年にランナー王朝初代メンラーイ王により

新しい首都としてピン川のほとりに建設されたのが始まり。

ナイトマーケットと、ワット・チェディ・ルアン、ワット・プラ・シンを観光して

サクッと抜けることにした。


さてパーイは、チェンマイからバスでたったの3時間。

やっぱり田舎町は落ち着く。何もない代わりに、懐に優しい。宿も広くて快適だ。

今日なんて、バンガロースタイルのシングルルームで100B(360円)だもの。

iPODを流しながら、ブログを書く。

遠くから犬や鳥たちの声が聞こえる。そして窓の外には満天の星。

あぁ、いいなぁ。今日も生きてるよ。


いつかはここにも観光化の近代化の波は押し寄せるだろう。

束の間のこの優しい時間を覚えておきたい。

「昔はね…」と、未来の子どもたちに聞かせたら目をまん丸にして驚くかも。