ZIPANG-5 TOKIO 2020「北海道・北東北の縄文遺跡群」のイコモス勧告「世界文化遺産登録」について(Ⅰ)
「北海道・北東北の縄文遺跡群」青森県 三内丸山遺跡
「北海道・北東北の縄文遺跡群」岩手県 御所野遺跡
「北海道・北東北の縄文遺跡群」大湯環状列石
「北海道・北東北の縄文遺跡群」北黄金貝塚
北海道、青森県、岩手県及び秋田県は、世界自然遺産「白神山地」や「知床」など、 美しい自然が今なお色濃く残る、緑豊かなところです。
北海道・北東北の縄文遺跡群は、この豊かな自然の恵みを受けながら 1万年以上にわたり採集・漁労・狩猟により定住した 縄文時代の人々の生活と精神文化を今に伝える貴重な文化遺産です。
日本の宝を世界の宝に、そして過去から受け継いだ宝を未来へつなげるため、
北海道・北東北の縄文遺跡群は世界文化遺産登録を目指し取り組みを進めています。
縄文遺跡群世界遺産登録推進事務局からのお知らせ
本日(令和3年5月26日)、「北海道・北東北の縄文遺跡群」について、世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスによる評価結果がユネスコ世界遺産センターから文化庁へ通知され、次のとおり情報提供がありましたのでお知らせします。
1.イコモスの評価結果 「北海道・北東北の縄文遺跡群」については、「記載」が適当との勧告がなされました。
2.今後の予定
第44回世界遺産委員会拡大会合(令和3年7月16日~7月31日(オンライン))において、イコモスの勧告を踏まえ、世界遺産一覧表への記載の可否が決定されます。
関係者の皆さま、地域の皆さま、縄文ファン・考古学ファンの皆さまに御支援・御協力を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。
2021年夏、縄文遺跡群の世界文化遺産登録実現まであと一歩です!
引き続き皆さまの御支援・御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」について
1.概要
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、17の考古遺跡で構成される。
北東アジアにおいて長期間継続した採集・漁労・狩猟による定住の開始、発展、
成熟の過程及び精神文化の発達をよく示しており、農耕以前における人類の生活の在り方と、精緻で複雑な精神文化を顕著に示す物証である。
2.構成資産
3.これまでの経緯と今後のスケジュール(見込み)
2009年 暫定一覧表記載
2019年7月30日 文化審議会において、2019年度推薦候補に選定
2019年9月23日 ユネスコ世界遺産センターへ暫定版推薦書を提出
2020年1月16日 正式版推薦書を提出(文化審議会、世界遺産条約関係省庁連絡会議 (外務省)、閣議了解を経て決定)
2020年 夏~冬頃 イコモスによる審査(現地調査と書類審査)
2021年5月26日 イコモス勧告
2021年7月16日~31日 ユネスコ世界遺産委員会における審議・決議
4.イコモスの勧告と世界遺産委員会の決議について
◯イコモスが評価を行い、以下の4つの区分で世界遺産委員会へ勧告
◯イコモスの勧告を踏まえ、最終的に世界遺産委員会において決定
①記 載:世界遺産一覧表に記載する。
②情報照会:追加情報の提出を求めた上で次回以降の審議に回す。3年以内に追加情報の提出を行った後、現地調査手続きを除くイコモスの審査 を受ける。
③記載延期:より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要。推薦書を再提出した後、 新規案件と同様の手続きを受ける。
④不記載:記載にふさわしくないもの、例外的な場合を除き再推薦は不可。
世界文化遺産【文化庁】
我が国の推薦資産に係るイコモスによる評価結果及び勧告について
ユネスコ本部
今般、我が国が世界文化遺産へ推薦を行っている「北海道・北東北の縄文遺跡群」について、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスによる評価結果がユネスコ世界遺産センターから通知されました。
1.イコモスの評価結果
「北海道・北東北の縄文遺跡群」については、「記載」が適当との勧告がなされた。
(参考1)諮問機関による評価結果の4つの区分
1)記載(Inscription):世界遺産一覧表に記載するもの。
2)情報照会(Referral):追加情報の提出を求めた上で次回以降に再審議するもの。
3)記載延期(Deferral):より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもの。推薦書の再提出後、約1年半をかけて再度諮問機関の審査を受ける必要がある。
4)不記載(Not to inscribe): 記載にふさわしくないもの。(世界遺産委員会で不記載決議となった場合、例外的な場合を除き再推薦は不可。)
(参考2)イコモス(国際記念物遺跡会議)
ICOMOS (International Council on Monuments and Sites)。文化財の保存、修復、再生などを行う国際非政府間組織(NGO)。本拠地はパリ。1965年設立。
2.今後の予定
第44回世界遺産委員会拡大会合(令和3年7月16 日~31日、オンライン)において、イコモスの勧告を踏まえ、世界遺産一覧表への記載の可否が決定される。 なお、世界遺産委員会による決議は、諮問機関の勧告と同じ「記載」、「情報照会」、「記載延期」、「不記載」の4区分である。
イコモスの評価結果及び勧告の概要
(「北海道・北東北の縄文遺跡群」)
① 顕著な普遍的価値(OUV)について
北海道・北東北の縄文遺跡群は、約 15,000 年前に遡る農耕以前における定住生 活の在り方及び先史時代の複雑な精神文化を示す17の構成資産から成る。
② 完全性について
イコモスは、資産全体及び個々の構成資産において完全性が担保されていると考える。なお、不適切な構造物等に関して影響の軽減を図る、もしくは撤去する取組については継続するべきである。
③ 真実性について
イコモスは、資産全体及び個々の構成資産において真実性が担保されていると 考える。
④ 比較研究について
イコモスは、本資産の世界遺産一覧記載を検討するために適切に行われていると考える。構成資産の選択も論理的に説明されている。
⑤ 評価基準の適用について
・基準(iii)について
イコモスは、本資産が先史時代における農耕を伴わない定住社会及び複雑な精神文化を示しており、この評価基準が適切と考える。
・基準(v)について
イコモスは、本資産が定住社会の発展段階や様々な環境変化への適応を示して おり、この評価基準が適切と考える。
⑥ 資産に影響を与える要因について
イコモスは、資産に与える主な懸念は開発圧力であるが、適切に法的保護が図られていると考える。
⑦ 保存管理について(資産範囲、緩衝地帯(バッファー・ゾーン)、
保護措置、管理運営)
イコモスは、各資産の保存管理は国及び地方自治体からなる統一のとれた体制によって適切に行われており、地域住民の参加も十分にみられ、また来訪者管理も周到に準備されていると考える。
資産範囲には一部民有地が含まれており、法的に保護されているものの、公有化の取組を進めることが重要であると考える。
⑧ 勧告
イコモスは、評価基準(iii)及び(v)の下に世界遺産一覧表に記載することを勧告する。
イコモスは、締約国が以下を考慮することを併せて勧告する。
a)現状で民間所有となっている土地について、公有化を進めること
b)不適切な構造物について、撤去又は影響の軽減を図ること
c)考古学的記録及び出土遺物に関する情報を拡充すること(発掘記録、遺物の 目録化、調査報告書など)
d)『作業指針』パラグラフ40及び117*に示す開かれた遺産管理の精神に基づいて、資産の保存・管理にまだ関わっていない関係者の参画を促すこと
e)いずれの構成資産についても、資産範囲、緩衝地帯の範囲、(特別)史跡の指定範囲、周知の埋蔵文化財包蔵地の範囲を示した地図を提供すること。
*『世界遺産条約履行のための作業指針』(文化庁仮訳)
パラ40世界遺産資産の保全管理に利害関係を有する又は従事する個人その他の関係者、特に地域のコミュニティ、現地の人々、政府機関、非政府機関、民間組織、所有者は、世界遺産の保護及び保全のパートナーとなり得る。
パラ117締結国には、世界遺産資産のための効果的な管理活動を効果的に実施する責任がある。締約国は、資産の管理者、管理権限を持つ機関その他のパートナー、及び資産管理関係者との緊密な連携を図ること。
次回へ続く・・・
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ZIPANG TOKIO 2020「『神宿島(かみやどるしま)』宗像(むなかた)・沖ノ島(おきのしま)と関連遺産群」の世界遺産一覧表への記載決定!
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ZIPANG-2 TOKIO 2020「世界文化遺産登録決定!長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」
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ZIPANG TOKIO 2020「 世界の宗教史上に残る劇的な 『信徒発見』 の舞台 国宝・大浦天主堂をはじめとする世界遺産登録について 」
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ZIPANG-3 TOKIO 2020 「 世界遺産 熊野古道のまち『熊野市』伊勢路を行く(続編-1)」
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ZIPANG-3 TOKIO 2020 「 世界遺産 熊野古道のまち『熊野市』伊勢路を行く(続編-2)」日本最古の神社 花の窟(はなのいわや)神社
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鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
縄文遺跡群世界遺産登録推進事務局(青森県企画政策部 世界文化遺産登録推進室内)
代表メール:jomon*pref.aomori.lg.jp
文部科学省〒100-8959 東京都千代田区霞が関三丁目2番2号 電話:03-5253-4111(代表)
文化庁 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号 電話:03(5253)4111(代表)
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