第十回 神杉酒造株式会社(愛知県安城市)
杜氏 野々垣 高雄 氏
Interviewee:杜氏 野々垣 高雄氏(以下 野々垣)
Interviewer:美宴 吉 田 綾 子(以下 美宴)
第十回 神杉酒造株式会社(愛知県安城市)
杜氏 野々垣 高雄 氏
美宴: 野々垣さんが、酒造りで大切にされていることは何ですか?
野々垣: 「感動する酒」を造ることですね。
言い方はおかしいかもしれませんが、万人受けする酒は造らないということです(笑)
美宴: 酒造りに携わったきっかけは何ですか?
野々垣: 大学の時に大分県の酒販店でバイトをしていて、日本酒に興味を持ちました。
ちょうど就職の時に名古屋に戻り、面接してすぐにこの神杉酒造に入社しました。
美宴: 大学では何を学ばれていたのですか?
野々垣: 大学では工業化学。ぜんぜん関係ないですね!(笑)
美宴: 酒造りの楽しみは何ですか?
野々垣: 食べることが好きだし、飲むことも好き。
だから自分が飲んで美味しいと思う理想の酒を造ることが楽しみです。
本当は商売だから、一般ウケするものを造らなくちゃとは思うんですけどね。
美宴: どのようなお酒を目指していますか?
野々垣: お米の良さを引き出す酒です。特にうちの場合は、地元米の良さを出していくことですね。
美宴: 日々大変に感じることはありますか?
野々垣: 酒造りなんて、どれも大変ですよ!
でも、自分は体を動かすことが好きなので、帳面をつけたりすることが大っ嫌いです(笑)
製造事務のようなことはやはり大変ですね。
美宴: 神杉さんのお酒を一言でいうとどのようなお酒ですか?
野々垣: 山田錦を使ってないので、うちの酒は鑑評会には通用しない酒が多いです。
でも、特徴がないと地酒の意味がない気がするんですよ。なるべくお米の良さや旨味を残したい。
お米の旨味があってこその地酒だと思うんですね。
金賞は欲しいとは思うけど、自分の考えを変えてまで金賞が欲しいと思いません。
クセがある酒だけど、良い方にとらえられればいいと思っています。
美宴: 周りに流されないブレない考え方、素晴らしいです。
ありがとうございました。
社長 杉本 多起哉 氏のインタビュー記事はこちら