第九回 中井酒造場(三重県岡伊賀市)
「凹凸あるお酒で料理との感動を!」
杜氏 中井 昌平 氏
創業明治30年(1898年)より三重県伊賀市に続く中井酒造。
伊賀上野城や忍者博物館が近くにあり、
この地の名物 豆腐田楽や伊賀牛も楽しめる地域。
現在3代目社長の息子さんで、
杜氏でおられる中井昌平さんにお話を伺いました。
Interviewee:杜氏 中井 昌平 氏(以下 中井)
Interviewer:美宴 吉田 綾子(以下 美宴)
美宴: 中井さんはボクシングを教えていらっしゃるとのこと。
中井: はい、家業である酒屋と両立させて約14年になりますね。
昼間は酒造りをして、夜はボクシングをしての生活です。
美宴: すごい体力ですね!
中井酒造さんが消費者の方々に伝えたいことは何ですか?
中井: どこよりも美味い酒を造ってますということですね。
うちの酒は色んな味がするんですよ!
深みがあるというか、面白い酒ですね。
料理にも色んな味があるじゃないですか。僕はそれを味の凹凸と表現しているのですが、
うちの酒にも味の凹凸があり、その凹凸を出来るだけ多く作ろうと考えて造っています。
そうすることで、料理と酒が噛みあう確率が高くなると思っているからです。
美宴: 色んな味とは。興味深いですね。味の凹凸という表現も面白いです。
まるでパズルのようですね。
中井さんが日本酒を造る上で大切にされていることは何ですか?
中井: 手間を惜しまないことです。
洗米、室、酒母、どれをとっても楽ではないですよ。
しかし、その手間を惜しまず、大切に酒造りを行っています。
美宴: あたりまえのことですが、毎日手を抜かずに続けられること、大切なことですね。
今後、中井酒造さんはどのようになっていきたいですか?
中井: 今後のことは考えてないですね!
営業も一切していないのですが、幸いにも美味しいと言ってうちのことを好きでいてくれるお客様がいるのは、
とてもありがたいことです。
美宴: 三重錦ファンがついているのですね。
酒造りに携わっていて楽しいと感じられることは何ですか?
中井: 当たり前のことですが、造るとき、造っているときに、
出来る酒の味をイメージして造るのですが、
思った通りの酒になりつつあるときや、
思った通りの味になった時と、
それを解るお客様に出会ったときです。
あと僕は料理を造るのも好きなんですよ。
美宴: お料理に詳しいとやはりそれに合わせていただくお酒の味わいにもこだわりたくなるのでしょうね。
中井: そうなんです。
うちのお酒は、様々な料理に合う酒だと思うのです。
日本酒は発酵食品と同じで、やっぱり熟成してさらに美味しくなるものだと思いますよ。
ウィスキーもそうじゃないですか!自分は、ウィスキーも大好きなんですけどね。
美宴: 熟成してこそ、そのお酒の個性も強く感じられますね。
ありがとうございました。