提案『数の敏感期』
日常生活の中で数や数字に触れる機会は思いの他あります。しかし子供が小さい頃はなかなか数や数字を取入れて生活を送ることが皆さん少ないように思います。多くのお母様方が数の学びを取入れることになるのは小学校入学を意識した頃ではないでしょうか。
しかし子供の発達上で3歳頃からしっかりと数に関しての芽生えが出て来るようになります。その3歳からが数の敏感期になり、4歳~6歳にかけて算数(数学)の敏感期がやってきます。
ではどのようにその敏感期を迎えることが望ましいのかを考えてみましょう。
皆さんは覚えがあるでしょうか?野の花を摘んで花びらが何枚付いているのかを数えたことが・・・それとも「すき・きらい・すき・・・」と思いを花びらにのせたでしょうか。
子供の発達の特徴である形のあるものを先ず壊すということをきれいに咲く花でも無邪気に千切ってしまうのが子供です。以前転勤で沖縄にこられた生徒さんが、お母様の一瞬の隙をついてあるご家庭の道路に面している花壇の花を引き千切ってしまい、慌ててお菓子持参で謝りに行かれたのです。すると実はその花マーガレットではなく沖縄の至る所で見られるタチアワユキセンダングサ・・・そんなマサカの出来事も良い思い出になるものです。このような子供の発達に気付くと、1歳半以降でも数をカウントする遊びに転化させることができます。
金魚鉢の金魚を数えることも、おやつの数を数えることも、お湯に浸かる秒数も、走る車の数も、上り下りする階段もすべてがカウントに繋げることができ3歳以下の数や数字の前段階(事前準備)に入ることができます。この前準備なくして数の敏感期を迎えることほど勿体無いことはありません。
また数字もいろいろな所で目にすることができます。例えばカレンダー・時計・携帯電話や固定電話機・紙幣やコイン・各リモコン・食洗機や洗濯機などの家電・商品情報やその値札など挙げるときりがありません。しかしこれらの数字を学習する以前の子供にとっては抽象的で文字に興味を示す子供以外は理解が難しいといえます。
ではどうするか。数字に触れる触れさせる前にすべきことがあります。
1、親として取組むこと
親としてすべきことは子供に数や数字を入れた言葉をふんだんに使用して耳から数字を聞かせることです。先ずは1~10までを唱えたり、ものを数えることの様子を見聞きさせましょう。教え込もうとするのではなく、さりげなくそれでいてどこか楽しそうに行いましょう。
2、子供が取組むこと
数の敏感期の前にすべきことは分類することをたくさんさせましょう。子供の好きな小さいものを使用して視覚に働きかける属性分けをさせます。また規則正しくものを並べるという秩序性もしっかりとこなせるようにします。また空け写しをいろいろなものを使用して行い量を比べる視覚の促しも同時に行います。また全身運動で同じような取組みも同時進行で行います。これらが数の取組みの前段階にすべきことで数への移行をスムーズに行うことができます。(具体的なことはレッスンでアナウンスいたします。)
子供自信が自分の手を動かして行い、同時に視覚認知もでき数量を具体物として理解できるようにすることが重要です。
まとめ
3歳以下の子供には先ず大人が数や数字を多く取り入れた会話を意識すること。そして子供は自らの身体を使い数の土台となる取組みをたくさんさせることです。
数字は抽象的なものですから先ずは具体物を使用して視覚で数や量が認知できるようになって初めて数字の概念に入ることをお勧めしていますが、数字に興味を持つお子さんはまた別の方法でアプローチしていくことになります。
次回は4歳以降の算数(数学)の敏感期についての記事になります。