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活動量と死亡率の関係性

2016.12.21 09:57


<参考文献> 

Sitting Time and All-Cause Mortality Risk in 222 497 Australian Adults.


 <種類> 

 Prospective Cohort Study 


 <Abstract 要約> 

 座位時間(活動量)の延長に伴って生じる健康被害が明らかになってきている。今回は座位時間と死亡率についての調査を行なった。


 <Method 方法> 

45歳以上

222497名(男性:女性=47.6:52.4)

詳細↓



 <Result 結果>  

・縦軸=死亡率

・横軸=活動量

・A=全対象者 B=健康な対象者 C=不健康な対象者(循環器、がん、糖尿病など有している)

グラフ左→右(座位時間4h未満、4-8h、8-11h、11h以上)


上記より、いくつかわかることがある。

・身体活動量が増加することで死亡率は減少する

・座位時間が増加すれば死亡率が増加する。

・病気を有している場合は、健康な方に比べると死亡率がかなり増加する。

・1週間に300h以上運動していても座位時間が多ければ死亡率はは増加してしまう。




個人的な見解。

昨日はテレビ視聴時間と肥満・糖尿病発症についても論文を紹介しました。

結果はテレビ視聴時間が増加すればするほど両者を発症するリスクは増加するというものでした。

そして今回、昨日の論文に非常に近いものを持ってきました。

結果としては、不活動により糖尿病や肥満を発症するリスクのみならず死亡率までも増加させてしまうというもの。

この死亡率の増加が肥満や糖尿病を起因とした大血管疾患によるものなのかはわかりませんが、糖尿病患者では非糖尿病患者に比べて3-5倍ほど心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増加するので、その影響が関与している可能性はあります。なので、まとめなおすと、


座位時間の延長は健常人にとってはデメリットである。座位時間が延長するからといってすぐににつながるのではなく、不活動により生じてしまう肥満や糖尿病といった原疾患に付随する形で発症する疾患(CVAなど)によって死亡率が増加している(可能性がある)。



いかがでしょうか??

患者さんへの見方が変わる論文でした。



Yusuke