カナダでソーシャルワーカー Social Work in Canada

コロナ終息計画!?カナダBC州のRestart Plan発表!

2021.05.31 17:18

コロナ終息計画!?カナダBC州のRestart Plan発表!


世界的になかなか終息しないコロナ禍に結構ヘトヘトな気分になっているのは私だけではないはず。コロナ感染者数が増えたり減ったりする度に一喜一憂し、それもカナダで減って喜んだかと思えば、日本では増えて心配になり、インドの様相を見ては落ち込む・・・なんて感じで精神的になかなかキツいローラーコースターな日々。おまけに医療現場で働いている身としては、コロナ感染した患者さん達も身近にいるので常に職場でもピリピリとした危機感が漂っていて気が抜けません。そんな中、私が住むカナダBC州ではようやく一筋の光明が差してきたようですよ・・・多分。と言うのも4月にはBC州の1日におけるコロナ新規感染者数が1100人を越すような事態になり、ICU占有率も99%なんていう超ギリギリの状態だったのが、ようやく最近落ち着きを見せはじめ、ここんところ1日の新規感染者数は300人くらい、ICU占有率も80%くらいにまでなって来ました(とりあえずホッと一安心)。またワクチン接種もようやく軌道に乗り始め、BC州内ではおおよそ6割の人達が第一回目の接種を終わらせています。そうした状況下、BC州政府がついにRestart Plan・・・つまりコロナ終息プランを発表しました。


ステップ1〜4に分けられた計画、その気になる内容とは:


ステップ1(5月25日〜)


条件:18歳以上の60%以上がワクチンを最低1回接種していて、新規感染者数および入院患者数が落ち着いている状態


出来るようになる事



ステップ2(6月15日〜予定)


条件:18歳以上の65%以上がワクチンを最低1回接種していて、新規感染者数および入院患者数が減り始めている状態


出来るようになる事



ステップ3(7月1日〜予定)


条件:18歳以上の70%以上がワクチンを最低1回接種していて、新規感染者数および入院患者数が少ない状態


出来るようになる事



ステップ4(9月4日〜予定)


条件:18歳以上の70%以上がワクチンを最低1回接種していて、新規感染者数および入院患者数が少ない状態


出来るようになる事


・・・と、まぁ〜こんな感じの計画なんですが、もちろんこれはあくまでも予定通り感染者数や入院患者数が減ったり落ち着いたりすることが前提です。なので実際は、計画通りに行かないんじゃないかな〜と私は思うのです。え!?悲観的すぎるって?いやいや、だってこれ見てくださいよ!


これ今週末の風景なんですが、急にすっごい人出が増えてビーチも人でいっぱいです。なんだかな〜・・・(自称)慎重派のシンペーとしては、こういう風に一気に気が緩んだ状態になるのって心配になるんですよね〜。だって「(祝)コロナ完全終息!」って雰囲気がすでに街中に漂っている気がしてさ。まだスッテップ1なのに!!!(怒)


・・・とカリカリしてしまうのも、それは私が医療現場で働いていて、コロナ感染に苦しむ患者さん達を見ているからなんですよ!だから分かってくださいね、と誰にともなく釈明してみる(笑)。ま〜こんな心配性は医療ソーシャルワーカーとしての職業病みたいなものだから仕方ないですね。とにかく私としては計画通りに進んで、早く旅行しただけなんです(まだ有給一度も取ってないし・・・)。



さてこんな希望に満ちた素晴らしいBC州のコロナ終息計画なんですが、一つだけ希望に満ちて無いものがあるのに皆さんはお気づきだったでしょうか?(とくに私にとって)


え?あの下線が引いてある項目が関係するのかって?


さすがです皆さん!そうなんですよ、あれですよ、あれ。


「在宅勤務から職場勤務への移行」・・・・これ大変およろしくない計画です。


案の定、この計画が発表された翌日、私の同僚達は一斉に「これって在宅やめて職場に戻ってこいって事なの!?」と大パニックです。そんな在宅派職員を横目に、在宅勤務できない看護師の数人は「ソーシャルワーカーさん達はいつ全員職場に戻ってくるの〜?」と嫌味に(私の妄想か?)聞いてきます。さらに私の天敵Kさんに至っては「いつまでも在宅なんてズルいもんね」と曰います。へ?は?あ?何がズルいの?ズルいって在宅派が家でサボってるって言いたいの?在宅勤務すると何がどうあんたにズルくなるんだよ!?ともう口先まで出そうな私を同僚が押し留め、なんとか平静を保ったものの、かなりイラついてしまいました。と言うのも、私はこの「半在宅、半職場勤務」の形態を末長く続けていきたいからなのです。その理由として:




いやいや、それ以上に私が在宅での勤務がかなり効果的だと感じたのは、患者さんとのコミュニケーションの取り方です。職場勤務の時は、病棟内で直接患者さんとお話しするか、オフィースから電話でお話しするんですが、上記のようにオフィースはわんわんとうるさく、誰か他の人が話や電話をしていると、電話口で何にも聞こえなくなるくらい酷いので、繊細な話(例えば、生死についてとか、お金の問題、家族問題、など)をするのには向きません。だからと言って病棟内が良いかと思えばそれも今ひとつなんです。なぜなら透析患者さんは大部屋に並べて寝かされているので、プライバーシーはカーテン一枚だけ。ま〜確かにカーテンをひけばプライバシーが保たれた錯覚を起こすのですが、もちろん会話はダダ漏れです。なので、会話の内容によってはあまり大きな声では話しにくく、相談をためらってしまう患者さんも多いのです。おまけに透析患者さんって毎週3回決まった曜日に来るので患者さん同士仲良くなりがちで、そうなるとお隣さんの会話(とくに守秘事項を扱うソーシャルワーカーとの会話)にはみんな耳がダンボになっています(私にはそういう気配がビリビリと伝わってくる)。そんな皆んながみんな「家政婦は見た!」状態の透析科なので(言い過ぎか?)、やはりプライバシーが保たれた環境で相談業務は行いたいというのがソーシャルワーカーの本意です。そう言う意味で在宅勤務は最高で、お互いプライバシーが守られた状態でリラックスしてお話をすることが出来ます。なので私は断固「在宅2日、病院3日勤務」の現状維持を強く主張するのであります!



ま〜それに加えて、家でゆっくり寝てられる、下着一枚で働ける、昼間の休憩時間にジムに行ける、横になりながらパソコン業務ができる、パンを焼きながら仕事ができる、などなど「些細な」利点も在宅業務をする上であるのですが、いえいえ、こんなのは全然重要じゃないからどうだって良いんですよ・・・とやっぱりそっちが本音だろ!と皆さんは勘違いしないでくださいね(笑)。


・・・と言うわけで、このコロナ終息計画の陰で、在宅勤務継続を画策する医療ソーシャルワーカー達が病院内ではソワソワと蠢き始めたのでした。


おわり(・・・ってなんか話がずいぶん逸れたような)