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退屈と惰性と 改

SS ブラー レビュー

2021.06.13 02:24

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、

“SSー63 オートボット ブラー” です。


 “トランスフォーマー ザ・ムービー” および、“戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー2010” に登場した

オートボットの “情報員 ブラー” が、

スタジオシリーズで発売されました。


 前月発売のホットロッド(ホットロディマス)、カップ(チャー)に続く新世代レギュラーメンバーの1人(ホットロッドはロディマスプライムにクラスチェンジするわけですが)。

 とにかく早口で落ち着きなく喋り続けるその様は、キャラ濃いめの新レギュラーたちのなかでも、一際印象的でした。

 実はつい先日、今さらながらにイッキ見BDBOXを購入し、今後のトイのランナップからしてまず思い出しておくべきと、2010から見返しているのですが・・

 いやはやあらためて、ブラーを演じる山口健さんの早口すごいわ。

 ナレーションの政宗一成さんもたいがいやけどね(笑)。


 そして・・!


 初日に連続ストーリーになっている5話までそれこそイッキ見しましたが、なかなかに疲れました。

 もう初っ端からツッコミどころだらけやし(笑)。

 内容的にも1話1話が非常に濃密ですね。やっぱり面白い。

 ともあれ、初代から2010、リバースも含めて100話近い大ボリュームですし、ゆっくりじっくり楽しみますよ。

 で、今回の主役、ブラー。

 新世代レギュラーのなかでも比較的リメイク機会の多いキャラですね。

 アニメのアイキャッチでも登場しますし、当時もわりと優遇されてた感じもします。

 僕はオリジナルトイこそ持っていませんが、ユナイテッド版にレジェンズ版、それにアニメイテッド版も持っています。

 今回はスタジオシリーズということで、ザ・ムービーにおけるアニメ版デザインを忠実に・・はて、これは再現できているんだろうか?

 レビューしていきます。


ロボットモード

 オートボット最速。スピードは宇宙一・・とかそんなイメージで、ロボットモードのデザインもスマートかつ均整のとれたプロポーションだった記憶があり、実際BDを見返してみたところ、おおむねその通りだったんですが・・

 今回のスタジオ86版、これはどうなんだ?

 いや、個々のパーツだけで見るとべつにおかしくはないと思うんですが、全体のバランスがなんかおかしい・・のかな?

 同じくSS カップも、妙に上下に引き延ばされたようなプロポーションになっていましたが、今回のブラーはそれぞれの縮尺がちぐはぐというか・・

 なんだろうこの、いつもと違うスタジオが作画した・・みたいな感じ。

 胸部(ビークルモードのウインドウ部分)は無色クリアパーツになっており、内部ディティールも適度に再現されています。

 その他、外装表面のディティールはWFCトリロジーシリーズに較べて控えめで、色味とも相まって全体が少しのっペりした印象ですが、そこはむしろアニメっぽい雰囲気でよいと思います。

 背面は、ビークルモードのボンネット(?)部分をそのまま背負う感じ。

 オリジナルトイやレジェンズ版ではこのガワを取り外して、シールドとして装備することができましたが、今回は取り外し不可能になっています。

 確かに、アニメではそんなことはしていなかったのか・・

 あと、前腕にたたむガワが妙に大きくて目立ちます。

 なんというかスタジオ86、イメージドンピシャな理想的なリメイクと、そうでもない感じが混在してますなぁ。

 というか、ザ・ムービーだとブラーはこんな感じなのかな?


 なお、スタジオシリーズなのでカスタマイズ用5㎜穴は少なく、肩の先端(スラスター部分)と足裏に1つずつ、計4つがあるのみです。


 頭部をアップで。

 顎かな? 顎がちょっと長いのかな?

 少し上を向いてくれればイメージ通りのブラーだわ。

 なお、目はクリアパーツになっており、集光ギミックにより光ってくれます。

 ただブルーのクリアパーツの色が濃いこともあって、これもあまり目立たず・・


付属品

エレクトロレーザー

 メイン武器となる、銃身が長めのライフルタイプのレーザーブラスター。

 ロボットモードでは手に持たせられるのみで、ほかの場所にマウントしたりはできません。

 また、カップのマスケットレーザーと同じく、銃口部分が3㎜軸にはなっていません。なんで?

 しかし、エフェクトパーツの形状によっては強引に取り付けることはできたりします。


溶接用バーナー

 ザ・ムービーの劇中で宇宙船の修理時に使用したらしい溶接用のバーナー(あるいはトーチ)。

 本来は右の拳を収納することでその代わりに展開する装置です。

 ホットロッドと同様の機能ですが、あちらが収納、展開ギミックまで再現していたのに対し、こちらは普通に5㎜軸で保持する付属品扱いに。

 なので、左腕にも装備できます。


ビークルモード

 オープンタイプのフューチャーカーにトランスフォーム。

 スマートな流線型のフォルムは、こちらはロボットモードと違ってかなりイメージに近いです。

 この形態での最高速は音速を超えるとか。

 ホバーで走行するという設定のためタイヤは付いておらず、そのためコロ走行で遊ぶことはできません。

 運転席内部のディティールもそれなりに再現されています。

 ただシート部分にはそれほど余裕はなく、過去アイテムのヘッドマスターやプライムマスター等を乗せたりはできません

 変形パターンはレジェンズ版にかなり近く、比較的シンプルですが、ロボットモードの脇パーツを底面に向かって開き、腕部(ビークルモードの側面部分)をより本体を密着させるなど、ロボット、ビークル両モードでのプロポーション再現に工夫が凝らされています。

 そこまでしておきながら、最終的なロボットモードのバランスが・・


 エレクトロレーザーおよびバーナーはボンネット裏にマウント可能。

 このようなかたちでレーザー、バーナーの順に取り付けます。

 レーザーは左右の向きを変えることも可能。

 バーナーはロボットモードでも同様の位置にマウントできます。

 レーザーも、できないわけではないですね。


 中台紙を使った簡易ディスプレイベースの背景は、地球にあるサイバトロンシティ。

 ウルトラマグナスの指揮の下で戦ったそうですが・・彼はいつ地球に来たのか?


比較画像

 まずは過去のリメイクアイテムと比較。

 ユナイテッド(UN)版と。ロボットモードで。

 UN版はシリーズの傾向としてアレンジ強め・・というか、このUN版ブラーに関しては先に発売されたドリフトのリデコとなっており、ジナルに近い要素というとカラーリングくらいのものでほぼ別人です。

 ただ、トイとしての出来はなかなかよくて、可動もそこそこ優秀なうえ、付属の武器も画像の長大なスナイパーライフルのほかにハンドガンが2丁とボリュームがあり、シリーズ共通のメタリック塗装も豪華な仕様になっています。


 ビークルモードでも。

 完全に地球上の車っぽい形態に変形するUN版。

 やはり、どう考えてもブラーではない・・


 レジェンズ(LG)版と。ロボットモードで。

 LG版はヘッドマスター仕様になっていますが、かなりオリジナルのイメ-ジに近いリメイクになっていると思います。

 スタイルも非常によく、今見ても普通に格好いい。

 アレンジはそこそこされているので、今回のSS版と、このLG版を足して2で割ったくらいがバランスとしてはちょうどよかったような気がする。

 あくまで個人の見解ですが・・


 ビークルモードでも。

 先にも言いましたが、今回のSS版の変形はこのLG版をかなり踏襲しています。

 武器のマウント位置も共通ですね。

 SS版のほうが横幅が広く、相対的に薄く見えるようになりました。


 前月発売のSS ホットロッド、同カップと。ロボットモードで。

 ホットロッドは別格として、やっぱりブラーの体型気になるなぁ。

 あと、一番背が低く見えるのも・・


 ビークルモードでも。

 こちらは全員ほぼイメージ通りでなんの問題もなし。

 LG版ウィーリーと。ロボットモードで。

 劇中、なにかとコンビを組むことが多かった印象の2人。

 なかなかいいサイズ感ですね。


 ビークルモードでも。

 こちらもいいサイズ感。

 ロボットモード時ほど大きさに差を感じません。

 ウィーリー、あぁなってしまったからには、変形トイとして再リメイクされることはしばらくなさそうですし、このLG版がまだ当分の間は現役ということになるでしょうね。

 まぁ、出来は十分なので、問題ないですね。


以下、画像

 可動は標準的。

 スタジオシリーズではありますが、WFCトリロジーシリーズに準じており、腰回転、足首スイングなども可能。

 とくに足首は変形都合もあって前方向へのスイングも可能で、比較的柔軟性があり、自立も安定します。

 一方で肘、膝は90度程度しか曲がりません。

 腿も腰部が干渉してあまり上がらないため、立て膝は少々苦手。

 しかし、先に言った足首の前方向スイングが機能するので、画像のように深く腰を落とした状態でも自立可能です。

 特徴的な肩はエンジンディティールのあるパーツを基部として、腕を横方向に水平以上まで上げられます。

 スタンド対応穴は腰裏にありますが、背中のガワが邪魔になるので、使用時にはガワを少し開く必要があります。


ブ「攻撃! 攻撃 ! 攻撃っ!!

 エレクトロレーザーに無理矢理エフェクトパーツを取り付けて。

 造形重視ということなのか、このブラーとカップの武器は仕様としてエフェクトパーツの取り付けには対応していません。

 ホットロッドとスカージ、グリムロックも対応してるのに・・設計者が違うんでしょうか?


 下から煽るように撮ると、バランスの違和感も少しはマシになる・・かな?

 しかし、それとは別にどうしても腕のガワのでかさは気になる・・

 しかも拳パーツと繋がっているので、拳を回すとガワも一緒に付いてくるんですよねぇ。

 変形都合もあるとはいえ・・


 腰を痛めた老兵を労る若者たち。

ウ「なるほど。バーナーをお灸代わりにするんだね。

ブ「どこがイタイの? どこがイタイの? どこがイタイの?

カ「やかましい! もう少し左じゃ、左。


ロ「敵が来たぞ! 全員攻撃開始!

ブ「頼りになる男ブラーはワタシ! ワタシ! ワタシ!

ロ「うるさいぞブラー! 黙って攻撃だけしてろ!

 酷い・・(笑)


 ビークルモードでも。

 エンジン部分の5㎜穴にエフェクトパーツを取り付けて、ジェット噴射イメージ。

 この形態で使える3㎜スタンド対応穴はありませんが、底面に足裏の5㎜穴が来るので、それを使って飛行(浮遊か)状態でディスプレイできます。


 メトロフレックスのトランスフォームに必要なトランスフォーマーコグを地球に届ける際、漂着した惑星イオにて謎のコウモリ型エイリアンに襲われるブラーとウィーリー。

 そこに、2人の危機を知った地球防衛軍のメリッサ大尉が救出に現れた。


 では、地球防衛軍の美人兵士、メリッサ大尉の活躍をご覧いただこう!

 コウモリ型エイリアンには手持ちのラットバット型、メリッサ大尉はヘキサギアの女性型ガバナーでなんちゃって再現してみました。

 政宗さんの煽りまくるナレーション、いいよね。


 以上、“SS ブラー” でした。


 ホットロッドやスカージと較べると、個人的には少し首を傾げたくなるロボットモードの再現度。

 そういう意味でもカップと近い感じなのですが、あちらは手脚がバラせるという特殊ギミックのおかげで、予想外に楽しませてもらえました。

 一方今回のブラーは、そういった特殊ギミックもなく、可動が特別優秀というわけでもなく・・

 変形トイとしてはレジェンズ版をベースにより進化し、ビークルモードのプロポーションも非常によいのですが、ブラーならではのウリ・・みたいなものはとくにありませんからねぇ。

 決して出来は悪くないんですが、ほかのスタジオ86アイテムたちと較べると、どうしても見劣りしてしまいます。

 ともあれ、ほかの2010キャラたちと絡めて遊ぶのはなんやかんや楽しいですし、そんなふうにしばらく遊んでいたら、このバランスにも慣れて、感じかたもまた変わってくるのかもしれません。

 ともかくも今回のSS86 ブラー、残念とまでは言わないまでも、惜しい・・そんなところでしょうか。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。