選手リレー日記(第1回〜18話)川西智治 Tomoharu Kawanishi
大切なファンの皆様へ
これをもって、僕の最後のブログになります。
高校からラグビーをはじめ、大学でもラグビー続け、
何度もラグビーをやめたくなりましたが、なんだかんだで活躍することができ、
自信を持った状態で、トヨタヴェルブリッツに入団しました。
トヨタでは紆余曲折宇した、たくさんの経験をしました。
リザーブに入ったが、出場できなかったこと。
出ても出場タイムがなかなか伸びなかったこと。
やっとコンスタントに出場できるようになったこと。
そしてついに先発に選ばれた時に『2』のジャージをもらった時、言葉では伝えられないうれしさを感じたこと。
そんな矢先に大ケガしてしまったこと。
強い想いでリハビリに臨んでいる中、まさかの難病にかかり、どん底を味わったこと。
そこから闘病を続けながら、プレーしたこと。
自分と身体と向き合い、『考えて努力する』ことを理解し、再び活躍することが出来たこと。
何度もケガに苦しんだこと。
メンバー外の悔しさ。
突然ラグビーができなくなる事実を叩きつけられたこと。
順風満帆とはいきませんでしたが、
自分の中での悔しさ、辛さをたくさん経験した分、
少しは人として成長したと信じています。
引退することは、今シーズン最後となった準決勝のパナソニック戦の約1か月前に決まりました。
30を超えてからは、毎年のように覚悟はしていましたが、色々な感情や思い出を整理付けるのに時間がかかりました。
自分なりに考え、引退が決まったことを明るくみんなに伝え、めちゃめちゃ引退ネタでいじってもらいながら、
日々を過ごしました。
それの方がチームの雰囲気が明るくなるし、負ければ終わりのトーナメントだったので、
人によっては、僕に少しでも長くラグビーやらせてくれるために、
力振り絞ってくれるかなって思ったので。
毎日、長年プレーしたグランドを選手側から見る風景や、
二度と組むことのないスクラムや仲間との円陣を心と体に焼き付けて、
悔いの残らないように過ごしました。
そして、必ず試合に出て活躍するために、腐らず、最後まで全力を出し切りました。
『まだ出来ます』や『海外から帰ってきて一緒にプレーするから絶対やめさせない』と言ってくれる後輩達がいたので、
まだチームに必要だと思われるように、最後まで諦めませんでした。
出れなくても、ラグビー人生の最後に優勝を味わいたくて、一生懸命チームサポートをしました。
どちらも叶うことはなかったですが、パナ戦の後、悔し涙を流しながら、
『かわさんごめん』と言ってきてくれた仲間たちの言葉は一生忘れません。
日本代表にもなれなかったし、トップリーグ100キャップも到達しませんでした。
何か記録を作ったわけでもありません。
そんな自分が、たくさんの人に知ってもらい、応援していただけるようになったのは、
今応援してくださっているファンの皆様のおかげです。
こんな僕に価値を与えてくれて、本当にありがとうございました。
最後に、
ラグビーキャリアの最後に、大好きな仲間とファンの人達に囲まれて、
本当に幸せでした。