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yoyo

いっぱしの女

2021.06.03 14:38

文庫化まで待ちきれず『いっぱしの女』を図書館で借りて読みはじめる。


大恋愛をひとつすれば、いい思い出になって、たとえ老人ホームで死んでも、幸せなものよ。ほんとよ。負けおしみじゃないの。思い出はのこるのよ。


たった一つの思い出があれば生きていけるというのは私自身、物語を書くときによく考えることではある。あるからこそ胸に迫るし、こんなにも切実でいて柔らかい言葉には起こせない(ここに至る過程がまた素晴らしいのだ)とも思う。朝の電車で涙ぐむ。

彼女の周囲との距離の取り方や考え方、そして文章そのものが私は好きだ。