石碑「青い鳥」
今回のブログでは、当庵で一番人気の石碑を紹介いたします。
「青い鳥」の石碑は、南側庭の入り口に配置しています。
ベルギーの詩人、劇作家、随筆家メーテルリンクの童話劇「青い鳥」では、チルチルとミチルの兄妹が「幸せの青い鳥」を探し求める物語ですが、当庵の石碑「青い鳥」の碑文も、「幸せの青い鳥」について教えを説いたものです。
人生に悩んでいる方に対して、D・カーネギーの言葉を引用しています。
(碑文内容)
青 い 鳥
愉快(ゆかい)な考えをすれば 愉快になる
惨(みじ)めな考えをすれば 惨めになる
オガクズを挽(ひ)こうとするな!
自分の境遇に満足せよ
やっかい事を数え上げるな!
幸せは目の前に山ほどある
明日のことを思い悩まず
その ひと足を照らし
今日一日の区切りで生きよ
希望を持て! 未来はまだ長いのだ
汝の道を歩め!
汝の運命の星は 汝の胸中にあり
幸福と不幸とは ともに心にある
幸せの青い鳥は過去にも未来にもいない
今 ここにいるー
謹記
(内容説明)
以前、私は、名言名句を組み合わせて、悩みのある人に対して強いメッセージは作れないだろうか?と思っていました。
題名は、メーテルリンクの童話を参考にして直ぐ、幸せ探しから「青い鳥」に決まりました。
真剣に悩んでいる人に対して、最初、『どの様な言葉から伝えるのが良いだろうか?』と考えた時、ようやく浮かんだ言葉が、D・カーネギーの著書「道は開ける」(創元社発行・香山晶訳)から
愉快(ゆかい)な考えをすれば 愉快になる
惨(みじ)めな考えをすれば 惨めになる
という言葉でした。
これは、D・カーネギーがローマ皇帝マルクス・アウレリウスの言葉
「われわれの人生とは、われわれの思考がつくり上げるものに他ならない。」
を引き合いに出して解釈した言い回しです。
次にくる名句には、「悩みを否定する強いメッセージ」が必要だと思い、
いつまでもクヨクヨしない!
というメッセージを送りたかったので、
「覆水盆(ふくすいぼん)に返らず」
(一度起きてしまったことは、二度と元には戻らない の意)
を考えたのですが繋がりが悪かった為、D・カーネギーが悩みの習慣を断ち切る鉄則として用いた言い回しの
オガクズを挽(ひ)こうとするな!
に決めました。
その意味は、木材をノコギリで挽(ひ)いてオガクズになってしまえば、オガクズをいくら挽いても再び木材には戻らない、との解釈です。
やっかい事を数え上げるな!
幸せは目の前に山ほどある
も、D・カーネギーの著書「道は開ける」から引用しています。
結局、名言名句を使って悩める人への強いメッセージを作るのに、考えて見ればD・カーネギーが著書で伝えようとした励ましや慰めの要約になってしまいました。
石碑「青い鳥」の碑文は、全て名言名句を組み合わせたものですが、その前半はD・カーネギーの教えの要約でもあります。
後半では、キリスト・讃美歌・ウィリアムオスラー・ベンハー・ダンテ・シラー・デモクリトス・メーテルリンク等の有名な名句を使用しており、この石碑「青い鳥」が懐古庵の一番人気の石碑です。
(おわりに)
懐古庵のお客様には、石碑に興味を持つ方が多くいます。
中でも、この「青い鳥」の碑文に感銘して「譲って欲しい」というお客様もいました。
D・カーネギーの著書を参考にし、名句を組み合わせてメッセージ性の強い碑文にまとめたものです。
懐古庵を見学して「今」を幸せに感じて下されば幸いです。
また、先日、幼稚園児くらいの男の子を連れて若いお母さんが見学に来て下さいました。
子供は、「トトロの家みたい」と言って喜んでくれ、2人は机の上に置いてあった望遠鏡に大変興味を示され、まちの駅のスタンプも押して下さいました。
かなり面白かったのか、母子が帰る時、男の子が私に「ハイタッチ!」と言ってきました。
驚いて、たどたどしく男の子にハイタッチを返したのですが、すごく幸せな気持ちになりました。
今を楽しく送ることが「幸せ」であると、幼い子供からも教えられた一時でした。
※参考文献
創元社発行、D・カーネギー著、香山晶訳「道は開ける」