フランス革命の道24-王妃の「首飾り事件」
2021.06.07 11:22
1785年7月12日、宝石商ベーメルがやってきて、「お買い上げありがとうございます」という手紙を残していった。が、アントワネットは何のことかわからなかった。しかしそれからも宝石商は、代金を頂きたいとやってくる。問いただすと、王妃は超高額の首飾りを買ったはずだという。首飾り事件はこうして幕をあげた。
この首飾りは、ルイ15世が、寵姫デュ・バリー夫人のために作らせた540個ものダイヤを装飾したもので、お値段は160万リーブル(金塊1トン)にもなる。15世が亡くなって引き取り手がなく困っていた。そこへラ・モット伯爵夫人は、王妃が欲しがっていると偽り、ロアン枢機卿に代理購入させた。
ラ・モットは、王妃に渡すと偽って、ロンドンに居るダンナに首飾りをバラバラにして処分させた。ルイ16世は、関係者を逮捕させた。ところが裁くのは高等法院で、ラ・モット以外皆無罪になった。ラ・モットは本当に王妃が欲しがっていたと弁護をして、これが広まってしまうのだ。
この事件は、巷に絶好のゴシップネタを提供し、ラ・モットと王妃はレズ関係にあると噂、レズはドイツの病気と思われた。反体制弁護士も王妃に不利な饒舌を展開した。さらに2年後ラ・モットが脱獄してロンドンに逃亡して、「噂の真相」を書きなぐって金にする。アントワネットの評判はこの上もなく地に落ちた。