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Pianist由美子UNO が綴るショパンの情景

F.Chopin、②母親サンドと娘ソランジュ、ソランジュは母サンドに服従か…その時ショパンは知っていた

2021.06.08 22:00

ソランジュの写真から

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ショパンはことの成り行きを知ってか知らずか、ノアンのサンドと社交辞令的な挨拶の書簡をお互いに一度交わした。

サンドはグートマンからショパンについての報告を受け取り、「私の代わりなってくださりありがとう」とグートマンを褒めていた。

意味は不明だが、ショパンが信用していたグートマンはサンドの指示に従いショパンを裏切ったのか。。

ショパンはサンドへは決して心を開くことはなかった。それは一貫していた。

ショパンはこのソランジュの結婚騒動を

ワルシャワのルドヴィカへ事の経緯を詳しく説明した。

「ソランジュの結婚については、私が具合が悪い間にノアン村で行われたものです。…

私が不在の間に田舎で行われたことについては、正直に言って、そうなったことを私は恨んではいません。私は、

どんな顔をして出席すればいいのか分からなかったからです。クレサンジュは、

悪魔のような一族の出身ですから。彼のことをパリでサンド夫人に紹介されました。その時は、このような結果になるとは誰も思っていませんでした、サンド一家がパリを出発する直前までは…。

私は最初から、サンド夫人がクレサンジュを大絶賛するのを聞くのが嫌でした。

彼を褒めているのを聞くのは快く思いません。

また、サンド夫人が毎日のようにスタジオに行って彼の前で胸像のポーズをとったり、

毎日のように花や様々なプレゼントの子犬をクレサンジュからもらったりすることも

私は好ましく思いませんでした。」

クレサンジュはソランジュ以前にサンドの男なのだ。そして、

ショパンは続けた

「ですから、前回のあなたへの書簡で、これからもクレサンジュの話を私から聞くことにあなたはなるだろうと書いたのです。

クレサンジュの母親 はとても優しい方ですが、現実的な常識を持ち合わせていません。」ショパンはクレサンジュの出が卑しく母親は悪い人ではないが教養がないと指摘した。

そして、

「クレサンジュはサンド夫人に誘われるのを待っていただけでした。彼はサンド夫人のノアンの館へ行きました。

彼は素早かった。事はあっという間に終わってしまった。

ソランジュは、彼が第二のミケランジェロと世間から言われていることや、クレサンジュからのプレゼントをソランジュはすべて気に入りました。」

要は女癖の悪い遊び人クレサンジュがソランジュを手玉に取るには時間は必要なかったということなのだ。

ショパンは事の経緯をまるで見て来たかのように姉ルドヴィカに書き続けた、

「ミケランジェロは、馬を完璧に乗りこなす騎兵隊だったことを考えれば、クレサンジュは第二のミケランジェロと呼ばれているのだから何も不思議なことではないのです。

モーリスもクレサンジュの味方だったが、それは礼儀正しく育ちの良いド・プレオール(ソランジュの最初の婚約破断した相手)に我慢できなかったからだ。」

モーリスにとっては自分より育ちの良いド・プレオールが義理の弟になるのが鼻持ちならなかったのだ。モーリスはサンドに甘やかされて育った事はパリで知られている程のワルなのだ、子供の頃から遊び好きでショパンにお金を集って来た不良だった。つまりは、クレサンジュもそれを上回る悪で、この二人は最初だけはワルはワル同士意気投合したのだ。

「もう一人の方(オーギュスティーヌ、サンドの養女)は、自分の立場をすぐに理解して、クレサンジュをおだてようとした。

それに対して、サンド夫人は

この事件のすべてを秘密にしていた。

その結果、サンド一家はサンド夫人が選んだ情報以外、クレサンジュについて何も知らなかったのです。

一方、サンド夫人の友人であるマルリアニ、ドラクロア、アラゴ、は

クレサンジュが多額の借金を抱え、残忍であり、クレサンジュは妊娠中の愛人を殴り、その愛人を捨ててソランジュと結婚したという悲惨な証言をしています。

それは世間では彼の天才性のせいにされていました。要するに、パリの芸術家たちは皆

彼を一人の男として見ているのではなく、いかがわしい人物として見ています。

パリの人達はサンド夫人が彼をソランジュの婿に選んだことが許せないのです。

今のところ、クレサンジュはとても愛想良くしていますよ。」

ショパンが話すようにクレサンジュはソランジュとの結婚はお金目当てなのだ。サンドも借金を抱えていることをクレサンジュは知らない、サンドも哀れだがクレサンジュも

馬鹿な男だ。お金目当てのクレサンジュは今のところサンドの前では猫を被っているわけだ。

ショパンは、何も知らないどころか、いつの間にかクレサンジュについて調べ上げていた。ショパンは事の成り行きを冷静に見ていた。