見えないけれどあるもの
しばらく前のある夜のこと。
2階の自室に居ると、1階の母から携帯が掛かって来ました。
滅多にないことなので、一瞬、具合が悪いのかと嫌な予感。
すると、「部屋に何かいる!!何か黒いのが…」と母。
泥棒?不審者?獣?幽霊?何っ!?
「鳥でもないし…」
何となく予想しながら行ってみると、コウモリが部屋の中をグ~ルグル飛んでいました。
我が家の中にコウモリなんて初の事態だったので、母も驚いたのでしょう。
コウモリの方こそパニックです。
そこから家族総出で捕獲作戦にかかるのですが、チラリともかすりません。
イルカやコウモリは超音波を発して、その反射音から物の形や距離を測ったりするエコーロケーションを行います。
暗闇の洞窟を自由に飛び回れるコウモリに、うちの面々が敵う訳がない。
コントのような捕物劇は、窓からコウモリが逃げて行って終わりました。
【動物によって聴こえる周波数】 Pioneer Webサイトより
人間の耳に聴こえる音は20Hz~20kHz。
コウモリの可聴域は120kHzに達するとか。
コウモリが使いこなす超音波は、人間には聴こえません。
「ない」訳ではなく、聴こえないだけです。
気や波動療法を裏付けがないように思われる方には、やんわりそんなお話もしてみます。
私は出が理系なので、波動というと物理現象だと理解してしまうのですがねぇ。
金子みすゞさんと星の王子さまも教えてくれています。
見えぬけれどもあるんだよ
金子みすゞ『星とたんぽぽ』
こころでみなくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。
かんじんなことは、目に見えないんだよ
サン=テグジュペリ『星の王子さま』
見えない・聴こえない・現代科学で測れないから「ない」と切り捨ててしまうのか、「見えないけれどあるのかも」と畏敬を持つのかで、生き方や居心地に随分な違いが生まれるような気がしませんか。