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見えないけれどあるもの

2021.06.08 12:36

しばらく前のある夜のこと。

2階の自室に居ると、1階の母から携帯が掛かって来ました。

滅多にないことなので、一瞬、具合が悪いのかと嫌な予感。

すると、「部屋に何かいる!!何か黒いのが…」と母。

泥棒?不審者?獣?幽霊?何っ!?

「鳥でもないし…」

何となく予想しながら行ってみると、コウモリが部屋の中をグ~ルグル飛んでいました。

我が家の中にコウモリなんて初の事態だったので、母も驚いたのでしょう。

コウモリの方こそパニックです。


そこから家族総出で捕獲作戦にかかるのですが、チラリともかすりません。

イルカやコウモリは超音波を発して、その反射音から物の形や距離を測ったりするエコーロケーションを行います。

暗闇の洞窟を自由に飛び回れるコウモリに、うちの面々が敵う訳がない。

コントのような捕物劇は、窓からコウモリが逃げて行って終わりました。


【動物によって聴こえる周波数】 Pioneer Webサイトより


人間の耳に聴こえる音は20Hz~20kHz。

コウモリの可聴域は120kHzに達するとか。

コウモリが使いこなす超音波は、人間には聴こえません。

「ない」訳ではなく、聴こえないだけです。


気や波動療法を裏付けがないように思われる方には、やんわりそんなお話もしてみます。

私は出が理系なので、波動というと物理現象だと理解してしまうのですがねぇ。


金子みすゞさんと星の王子さまも教えてくれています。


見えぬけれどもあるんだよ

  金子みすゞ『星とたんぽぽ』


こころでみなくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。

かんじんなことは、目に見えないんだよ

  サン=テグジュペリ『星の王子さま』


見えない・聴こえない・現代科学で測れないから「ない」と切り捨ててしまうのか、「見えないけれどあるのかも」と畏敬を持つのかで、生き方や居心地に随分な違いが生まれるような気がしませんか。