中古戸建の買取事例
飛込みで来店された相談者(男性)の話ですが、
お父様がバブル期に投資目的で購入した戸建て住宅があり、
貸家として、遠い親戚にあたる家族に貸しているとのことでした。
そして、お父様がお亡くなりになり、2年前に相続されたとのですが、
ご相談者はこの物件に特に思い入れがある訳ではないので、
早々に売却したいとのことでした。
賃貸中の物件の売却、いわゆるオーナーチェンジです。
賃貸中の物件は屋内の状態(傷み具合)を確認することが出来ませんので、
物件の売却額査定は、それがリスクとなり空家に比べると安めになります。
それでも、土地・建物で、市場価格700万円と査定し、
売却の仲介をさせて頂くご提案をいたしました。
しかし、上記のように、最近は疎遠であるとはいえ親戚にあたる方に貸していたため、
相談者としてはあまり揉めるようなことはしたくないとのことでした。
つまり、見ず知らずの方が物件を購入し、立ち退きを迫るようなことでもあれば、
親戚中に「酷いことをされた」と伝わり、白い目で見られるのは耐えられないとのこと。
ですから、先々どうなるかわからない相手に売却するのではなく、
「そちらの不動産屋さんで買い取ってもらって、
現在の入居者に貸し続けてもらえないか」ということでした。
バブル期の物件ですから、既に築40年近い木造住宅です。
不動産屋であれば、普通は早めに入居者には退去してもらい、
建物を解体して更地として売却するか、家を建てて建売住宅として売却することを考えます。
このような物件を所有し続けるというのは、
資金が動かなくなってしまうので、企業としてもあまり好ましくありません。
ですが、地元不動産屋として次の提案をさせて頂きました。
①買取価格は、物件を保有し続けるリスクを含むので、市場価格よりもそれなりに安くなる。
②会社が健全な状態であれば貸し続けることは出来るが、仮に会社が傾くようなことが起これば売却することもありうる
(貸し続ける努力はするが、保証はできないということ)
という2点です。
ご相談者にはこの点を十分説明し、ご理解いただいた上で、
物件を買い取ることとなりました。
地元の不動産屋としてはご相談者のご要望をできる限り受け止め、
ご納得頂いた上で買い取りに至ったことは、
ある意味では地域社会に貢献できたと思っています。