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領収証は見ている

2021.06.29 05:09

月末になると驚くことがある。


会社の幹部の一人。

彼は毎月大量の領収証を提出してくる。


しかもほとんどが普通の飲食店。

何ヶ月も厳しい経理のチェックを受けているのだが、

使途の不明なものや怪しいものは1つもない。


彼は自分の役割を果たすべく、

人と会って仕事をし、


自らが出すべき場面で適正に判断し、支払っている。


『オレは昼行燈だから』


いつもふざけてそう言っているが、

彼が本当に一生懸命仕事をしてくれていることを

周りは知っている。


さらに、付き合いで行った境界線上の領収証は

自分で捨てていることも知っている。


だからいつも『昼行燈』といじられながらも

彼はヒトとして幹部として信頼され愛されている。



領収証はある意味そのビジネスパーソンを映し出す鏡だ。

これは経営者であっても同じだ。


『昼行燈』さんのように

領収証で男を上げる人もいれば、


その逆で、

口では立派なことを言いながら

意地汚く領収証を切るようなヒトもいる。



領収証は見ている。



口でどんなにきれいなことを言っても

他人のお金をずるく領収証に変えてしまえば台無しだ。


どんなに攻撃的な交渉をしてもいい。

どんなに攻撃的な議論をしてもいい。


しかし、

領収証だけはきれいにしておきたいと思う。


その領収証をもらう前にほんの数秒自問してほしい。

『これは本当に使っていい経費なんだろうか?』


経営者をしていると

どうしても経費とそれ以外の境界線が甘くなる人が増える。

人間は完ぺきではない。


しかし、領収証をもらう時、

あなたが得をしたその小銭分以上に、

あなたは大きなものを失っているかもしれない。