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日々のくらしになじむパン教室Lily

家族のため、自分のため

2021.06.09 03:11

「やり切った!」

陣痛室から戻って文字通りベッドに倒れこんで全身の力がやっと抜けた。

「これでもうわたしだけの責じゃない」

あとは医療スタッフが万全を尽くしてくれるし、

帰ったら夫もいる。

9月中頃からつわりに苦しめられ、

年が明けてからはずっと切迫早産に縛られた。

働く妊婦に憧れたし、

陣クス(焼肉を食べるとか、オロCを飲むとか)だって試したかった。

マタ旅だって行きたかった。

何よりむすめや夫と離れた生活はさみしかった。


むすめの時は正期産を迎えられず、いろいろ自分を責めた。

誰のせいじゃない、

早くママに会いたかったんだね、

と慰められてもそれは慰めの言葉だった。

どうしても正期産まで踏ん張りたい。

そんな一心でどうにか迎えた37週と1日。

それが元気な男の子、第二子の誕生日となった。


今、その坊っちゃんはソファに寝転ぶ夫のおなかの上で、

まるでラッコの親子のように仲良くまどろんでいる。

むすめは「じいじと遊ぶ!」と朝ごはんもそこそこに階下の義両親のもとへ。


わたしはと言えば

洗い物と身支度を整え、明日の朝のパンを仕込んだ。

パンを捏ねることは、どこまで家事なんだろう。

朝ごはんだけど、もうしっかりわたしの趣味で、生活の一部だ。


新生児の時は

無理せず市販のパンでいいじゃん。

睡眠のほうが断然大事だもん。って自分に言ってみたけど

気が付くと着の身着のまま、粉を計量している自分がいた。

「ああ、好きなんだろう。」

家族のために焼くパンだとずっと思っていたけど、

その時間は自分のためにあった。


無理せず自分らしく、家族と一緒におうちパンを楽しんでいく。