菌声
おはようございます。
暮らし、味わう。
民藝と発酵をモノサシに
食を通して暮らしの豊かさを提案する
古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
昨日も少し触れていましたように、鳥取県智
頭町でパン作り、ビール作りをされてます、
渡邉格さん・麻里子さんご夫婦による新著
「菌の声を聴け」を楽しみながら読み終わり
ました。こちらは前著で僕がサラリーマンか
らの独立開業するにあたって影響を受けた一
冊でもあり、テマヒマブログ「腐敗」の回で
ご紹介した「腐る経済」から8年ぶりの著書
となります。
テマヒマブログ腐敗の回でも書いていますよ
うに、約3年前に智頭のタルマーリーさんを
訪問していて、その時におうかがしたい内容
も書かれてたりしますが、読んでいると、そ
の時も(そして今も)実は試行錯誤の最中だ
ったことが分かって、感慨深かったりもしました。
効率化・画一化一辺倒な社会の中で多様性の
大切さ、全てを可視化しよう、人間のコント
ロール下に支配しようとする中で、目に見え
ないもの、人間の及ばないものを重要視する
のは、このブログでもよく書いているように
テマヒマも同様ですので、共感ばかりなので
すが、菌からみた世界ということに絞って、
少し本の内容をご紹介したいと思います。
サピエンス全史の中で、ユヴァル•ノア•ハラ
リ氏は、穀物によってヒトが栄えたのではな
くヒトが家畜化して穀物が広がったという見
方を提示していましたが、渡邉格さんの見方
もそれに近くて、いやそれをさらに進めてい
て、地球全体を支配しているのは微生物では
ないか?ということを書いています。
地球上に最初にに生まれた生命体は微生物で
私たちが生きるために必要な空気、土、エネ
ルギーなどは微生物が作ってきたもので、微
生物が環境変化に適応し変異したものが動植物。人間は37兆個の細胞から出来ているが、
それを超える100兆個もの細菌が第二の脳とも
呼ばれる腸内にはいて免疫などにも関わり、
体表には1000兆個の細菌がいて身体を守って
くれていて、人間と細菌・微生物とは共生関係にある。
近代化の中で「殺菌」という考え方が生まれ
た。役に立つものと役に立たないものとに分
け、役に立たないものは排除する、という因
果関係を単純明快化する合理的、論理的な思
考や姿勢(農業の例としては化学肥料を畑に
撒くことをあげていました)で、社会を物質
的に豊かにしたかもしれないが、因果の外にあるものも含めて複雑な「縁起」で捉えるべ
きと渡邉格さんは主張していています。発酵
について語っている内容ですが、僕はそれ以
外の多くのことについても当てはまると感じ
ましたし、今、進行中の新型コロナウィルス
のことを重ね合わせて考えることも出来ると
も思いました。ちなみにコロナの影響でタル
マーリーさんの集客は半減したが、麹菌がき
れいに降りてくる環境が整ったのか採取がう
まくいってるそうです。
「なるべく多くの人や生き物が幸せになることが自分の幸せにつながる」
そのためには、自然界がいつも動的であるこ
とを日々実感する必要で、それは家庭料理で
あっても感じられるのでは?とも述べています(このへんは土井善晴さんとも近いですね)
パン作り・ビール作りの中で微生物や菌を突
き詰めた結果、どんどん視野が広がっていっ
ている言葉は強く、心に響きます。
他にご紹介したいことはいっぱいありますが
このへんで。おススメな一冊ですので、機会
があったら是非お手にとって読んでみて下さい。
挑戦中のテマヒマのクラウドファンディングですが、33日間で、昨日と変わらず、79名の
方から680500円のご支援を頂きました。誠に
ありがとうございます!!引き続きご支援並
びにシェア宜しくお願いします。
テマヒマは本日も11時オープンで皆様のお越
しをお待ちしております。本日のご予約状況
ですがテイクアウトが2個、ランチが2組で残
り9席とお席に余裕がございます。テイクアウ
トについては本日でいったん最終日となります。
それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!