フランス革命の道26-バブル崩壊と財政危機
2021.06.09 11:29
首飾り事件は、経済的にフランスのバブルを崩壊させた。1786年の赤字は1億リーブルに上り、国債の償還期限が迫ってきていた。財務総監カロンヌは、オランダやスイスにもフランス国債を引き受けさせた結果、銀行団と交渉するのができなくなった。そして首飾り事件は王室の信用を失墜させたのだ。
カロンヌはそこで、貴族や聖職の特権身分にも土地をもとに一律課税する「王政改革」を提案した。国王ルイ16世はそれを気に入り、また啓蒙的進歩主義者も支持した。しかしこの改革が成立するには、法服貴族の巣である高等法院を通過させねばならなかった。
そこで1787年2月22日、貴族や聖職身分144人を集めて150年ぶりに名士会議が開催された。冒頭、カロンヌは弁舌豊かに1時間余り演説したが、カロンヌは危機を強調するために、財政赤字を詳しく話し、しかも従来の方法では挽回不可能だと話したのである。皆背筋に寒いものが走った。
現在でも増税の話は一朝一夕にはいかない。そして最初に出てくるのは財務大臣の責任である。そもそも最近まで問題がないと言っていたではないか。さらに前財務長官のネッケルの時代の赤字まで言ったものだから、ネッケル派も巻き込んで、大騒動になったのだ。