海と空と鳥居が創り出す神秘
海と空と鳥居が創り出す神秘 それが俳句イメージなのでしょうか?
https://kokkyo-info.go.jp/themes/4477/ 【神々が宿る島~国境離島の神社めぐり】より
三宅島(東京都)/壱岐島(長崎県)/舳倉島(石川県)/対馬(長崎県)/西ノ島(島根県)/中ノ島(島根県)/小値賀島(長崎県)/野崎島(長崎県)
島の文化・伝統
古い信仰・文化を残す国境の離島には、古事記・日本書紀にも登場する古社など、千年を超える歴史ある神社が多数鎮座しています。干潮時のみ参道が現れるモンサンミッシェルのような神社もあり、離島ならではの自然景観の美しさとともにチェックしましょう。
舳倉島の奥津比咩神社
三宅島の富賀神社と椎取神社
隠岐諸島・西ノ島町の焼火山にある焼火神社
隠岐諸島・海士町の宇受賀命神社
壱岐島の内海湾に浮かぶ小島神社と月讀神社
対馬の和多都美神社
五島列島・小値賀島と野崎島の神嶋神社
舳倉島の奥津比咩神社
海女の島に鎮座する「海の守り神」
舳倉島の海浜に祀られ、島の人々が祭礼を行う場
能登半島北部・輪島の沖約50kmに浮かぶ舳倉島の南側に鎮座し、福岡県に伝わる宗像(むなかた)三女神の一柱・田心姫命(たごりひめのみこと)が祀られる神社です。近世初期、筑前国より渡来の海士(あま)が漁業を営むようになって深く崇信し、海士の故郷宗像神社の信仰と相まって、漁の安全祈願を行い、島の人々が祭礼を行う場となっています。昭和50年(1975)には輪島の地にも「奥津比咩神社(おきつひめじんじゃ)」が里宮として建立されました。この神社が所蔵する、千石積み渡海船の模型一隻と板図2枚は、市の重要文化財に指定されています。
三宅島の富賀神社と椎取神社
伊豆諸島の総鎮守・富賀神社
境内から古墳時代の土器や勾玉などが発掘されている歴史の深い神社
錆ヶ浜港(さびがはまこう)から車で5分ほど、富賀山の中腹に鎮座する富賀神社(とがじんじゃ)は、1000年以上前に創建された伊豆諸島の総鎮守です。伊豆諸島を造り発展させたという事代主命(ことしろぬしのみこと・三島大明神)と、その后である伊古奈比咩命(いこなひめのみこと)、その御子である阿米津和気命(あめつわけのみこと)の3柱を祀っています。隔年で8月上旬に行われる富賀神社大祭は、東京都の無形民俗文化財にも指定されています。
噴火の泥流に埋もれた椎取神社
噴火被害から徐々に森が再生しつつある境内
泥流被害を受けた鳥居も残されている
1000年以上の歴史をもつ式内社が12社も鎮座する三宅島の北東にある椎取神社(しいとりじんじゃ)もその由緒ある神社のひとつです。事代主命(三島大明神)の御子である志理太宣命(しりたきのみこと)を祀っています。2000年の噴火時に泥流被害を受け、拝殿と鳥居が埋まってしまいましたが、その脇に新しい拝殿が建てられています。境内奥の岩の影に祀られている本殿への参拝もお忘れなく。
隠岐諸島・西ノ島町の焼火山にある焼火神社
荘厳かつ神秘的な航海安全の守護神
まるで岩と一体化したかのように佇む社殿
隠岐島前の最高峰、西ノ島町の焼火山(たくひやま)の中腹にあるこの焼火神社は、1000年ごろの創建と伝えられます。大時化のときに祈願をこめると、神の導きの光明によって救われるという故事があり、島民だけではなく諸国の舟人の海上信仰の対象とされてきました。山道の参道を登り、さらに奥へ進むと立派な御神木が現れ、その向こうに朱色の立派な拝殿と、巨大な岩壁にのめりこむようにして建つ本殿が姿を現します。神秘的な光景は思わず息をのまずにいられません。
隠岐諸島・海士町の宇受賀命神社
縁結び、夫婦円満、子宝にご利益があるパワースポット
鳥居・拝殿・本殿が見通せる真っ直ぐ続く参道
現存する最古の神社名簿「延喜式神名帳」の中で最高位の明神大社に位置付けられている宇受賀命神社(うづかみことじんじゃ)。美しいヒナマチ姫に恋をしたウヅカミコトは、恋のライバルであるオオヤマツミノミコトとの力比べに勝利し、姫と結ばれ、明屋海岸の屏風岩で姫がお産を行ったと伝えられています。そのため、明屋海岸(あきやかいがん)から宇受賀命神社に至る海岸線の道路は縁結び、子宝、夫婦円満のご利益がある道とされています。訪れた際は、神社はもちろん、海岸や周辺を歩いてみてください。
壱岐島の内海湾に浮かぶ小島神社と月讀神社
月の引力によって神様に出合えるパワースポット
干潮時には海の参道ができる、壱岐のモンサンミッシェル
森の中に鎮座する月讀神社には御朱印帳もある
大小合わせて1000を超える神社や祠が存在する壱岐は、神々が宿る島としても知られています。日本遺産に登録されている内海湾(うちめわん)の中ほどに浮かぶ小島神社は、小枝一本も持ちだしてはならない聖域であり、島自体が神聖化されています。パワースポットとしても知られ、大切な人と手を繋いで渡ると、恋愛が成就するという逸話もあります。壱岐が誇る”恋人の聖地”にもなっています。
さらに、月讀神社(つきよみじんじゃ)は、古事記に登場する伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)により、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の次に産まれた月讀命(つくよみのみこと)が祀られています。暦・潮の干満など月にまつわるすべての行い、安全や航海安全などの願いごとを聞き入れてくださるといわれています。
対馬の和多都美神社
竜宮伝説に彩られた海の女神を祀る古社
5つある鳥居のうち、2つが海上に立ち、海底には竜宮の門があるという伝説も
対馬の海に向かって鳥居が立ち並ぶ和多都美(わだづみ)神社は、竜宮伝説を彷彿とさせる神秘的な雰囲気が広がっています。この神社には、海神の娘である豊玉姫命(とよたまひめのみこと)と彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)の夫婦神が祀られています。社殿の裏手には巨木が林立し、遊歩道もあります。その奥に豊玉姫命の墳墓を見ることができます。ほかにも、拝殿横の三柱鳥居など神秘的なスポットが点在しています。
五島列島・小値賀島と野崎島の神嶋神社
遣唐使たちの安全を見守ったと伝わる美しい神社
海に向かって立派な鳥居が連なる地ノ神嶋神社
遣唐使船団の航海の安全を祈って創建されたと伝わる小値賀島の地ノ神嶋神社(ちのこうじまじんじゃ)は、700年代に建てられた古い神社です。美しい前方湾に向かって鳥居が立ち、対岸の野崎島にある沖ノ神嶋神社(おきのこうじまじんじゃ)と対になっています。両社は、海を隔て互いに向かい合い、この2社を合わせた1社として神嶋神社とよばれています。海辺に立つ地ノ神嶋神社の鳥居から、小値賀の素晴らしい海を眺めていると、心が洗われるような気持ちになります。