ほんのりぽつぽつ　ホタルカヅラ

鮮やかな青紫色に白い大の字が刻まれた花弁を開いて草むらの中でぽつぽつと咲いている姿を、初夏の夜に、ほんのりと灯りを明滅させる"蛍(ほたる)"に例えて＋地面に這うように茎を横に伸ばして広がる生態から蔓(つる)性植物を意味する"葛(かづら)"で『蛍葛(ほたるかづら)』。

ホタルソウ(蛍草)やホタルカラクサ(蛍唐草)…"唐草"も蔓植物の意…の他、青い花の色からルリソウ(瑠璃草)といった別名もある。

土曜の午後のロングジョギングで山里のキャンプ場まで脚を伸ばした際に、草むらから碧い花弁が幾輪か顔を覗かせている群生を見つけた際の様子は、確かに蛍が群れて灯りを灯している様にも見える。

花の姿を的確に捉え、且つ想像が膨らむ良い名前かと思う。

漆黒の闇の中、澄んだ沢や森に無数の蛍の飛び交う。そんな夏が近づいて来たなぁ。

　物思へば　沢の蛍も　我が身より　

　あくがれ出づる　たま(魂)かとぞ見る

　(和泉式部)

花言葉: 高潔/企み