熱帯夜
2021.6.9
まだ6月だというのにあの日のような暑い夜
2017.8・13
私は等々力にいました。
パルセイロにずっぽりハマっていた私と息子。
パルセイロ以外に息子が好きになったのは「川崎フロンターレ」でした。
きっかけはチャント。
当時、暇さえあればYouTubeでJチームのチャントを聞きまくっていた息子が
「これカッコイイ!」と興奮したのが FRONTALE RABBIT
どうしても等々力に行きたい!
どうしてもフロンターレの試合が観たい!
どうしても生チャントが聴きたい!
なかなか普段泊りで出かけられない我が家でしたが、夏休みの思い出作りにと日程調整。
8/13の日曜夜開催の等々力に照準を絞りました。
最寄り駅でタオマフとコンフィットTシャツを調達し競技場へ。
目の前に広がるサックスブルーに溜息が漏れる私と息子。
AWAYに陣取る大迫力のアントラーズのサポーターにも鳥肌が。
公式記録によると3-1で川崎の勝利でしたが試合内容なんて覚えてないくらい等々力を堪能。
お目当ての生チャントもバッチリ動画に収め、大満足で帰路に着きました。
あれから4年。
黄金期を迎え、JリーグNo.1の絶対王者の地位を築いたフロンターレ。
かたや、あの日と変わらずJ3でもがき苦しんでいる我らがパルセイロ。
まさか戦える日が来るなんて、あの時は想像もしていませんでした。
第101回天皇杯2回戦
この試合が決まってからというもの、周りからは「結果は見えてる」と言われました。
私も心の何処かには同じ思いがありました。
だって絶対王者なんだもん、今シーズン無敗なんだもん。
SNSの対応も早いんだもん、コラボグッズも欲しくなっちゃうんだもん。
全てにおいてチームもフロントもサポーターも日本一なんだもん。
しかし、天皇杯では過去数々のジャイアントキリングを成し遂げてきたパルセイロ。
しかも一発勝負の場合は何が起こるか分からない。
何かしらの爪痕を残して欲しいと思っていました。
こんな極上ディナーにもかかわらず試合の中継配信が無いため
速報とTwitterからの情報だけが頼り。
どうやらパルセイロの獅子達の動きがいいらしい。フムフム
どうやらパルセイロの獅子達が躍動してるらしい。フムフム
そうは言ってもいつ先制されてしまうのかTLを更新するのが怖い。
未だ0-0
仕事を終え、店を閉め、再びTwitterを確認。前半終了。フムフム
へっ?
なに?
なに?
1-0?
パルセイロ先制?
頭の整理がつかない。
TLを遡ろうにも膨大なツイートが溜まっていてなかなか情報が掴めない。
親切なフォロワーさんが教えてくれました。
前半42分 藤山のスペルゴラッソが炸裂して先制。
後半はスマホを片手にTwitterのTLを更新しまくり。
スワイプの連続に私の親指が悲鳴を上げ始めたと当時にザワザワし出すTL。
残り10分 ザワザワ
残り5分 ザワザワザワザワ
90分経過 ザワザワザワザワザワザワ
マジかよ!
絶対王者フロンターレに今季初黒星付けるのはパルセイロなのか?
っていうか夢見てるのか?
AT4分 ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ
パスン
やられた
フロンターレ橘田選手の意地の一発
1-1の同点となり試合は延長戦へ。
再び親指を酷使し始めるも、両チームお互いに譲らず決着はPK戦に。
この時点で、TLは同じような内容のツイートで埋め尽くされていました。
おそらく現地観戦されているフロンターレサポさんのツイートかと推測しますが
「何者だよ!パルセイロのGK、神セーブ連発じゃねぇか」
「あれで控えのGK?J1レベルだろ」
そうです、我らが長野の守護神田中謙吾なんです。
フロンターレのシュートをことごとく弾き返してしまうんです。
だから延長前後半もゴールを許さなかったんです。
しかしながら結果はこうなってしまいました。
ここまで来たら勝ちたかった。
でも悔しさの中にも妙な清々しさが残りました。
ありがとう。
ステキな夢を見せてくれてありがとう。
明日からまた頑張ろうと思える勇気をくれてありがとう。
川崎フロンターレさんにも感謝の気持ちで一杯です。
全力で叩き潰しに来てくれてありがとう。
4年前、フロンターレのコンフィットTシャツとタオマフを持って訪れた等々力。
何年後かにはパルセイロのユニを着て息子と乗り込む日を想像させてくれた熱帯夜でした。