おうちでシャンプーしてみよう!
普段、愛犬のシャンプーはどうしていますか?
「自宅でやるのは大変そう」「ちゃんとできるか不安」などの理由でトリミングサロンに任せている飼い主さんも多いと思います。しかし、体の大きさや被毛の長さにもよりますが、コツをつかめば自宅でもシャンプーができるようになりますよ。
今回は基本的なシャンプーの方法や、よくある疑問についてご説明します。
そもそもシャンプーは必要?
シャンプーは皮膚のターンオーバー(表皮の新陳代謝)によって出るフケを取り除き、痒みを抑えます。余分な皮脂や細菌を取り除く効果があるため、大切なスキンケアの一つだといえます。
汚れや臭いがある状態で過ごすと皮膚病や皮膚トラブルの原因にもなりますので、定期的にシャンプーをして皮膚や被毛を清潔に保ちましょう。
シャンプーの手順
<ブラッシング>
体を濡らす前に、まずはよくブラッシングをしましょう。あらかじめ抜け毛を落としておくことで、汚れもある程度落とすことができます。また、毛量が減るとシャンプーがしやすくなり、乾かす時間も短くなります。
毛が長い犬の場合は、毛玉ができていたらこの時点できちんとほぐすことが大切です。水を含むと毛玉はさらに硬くなり、毛がフェルト状態に固まってしまうからです。こうなると、ブラシでとかすことができなくなり、短くカットしなければいけなくなります。
毛玉を取ろうと強くブラシをあてると皮膚を傷つけてしまうことがあるため、注意しながら毛の部分だけにブラシをあてるようにしましょう。
<身体の状態をみる>
ブラッシングの際に、身体の傷や皮膚の状態などのチェックをしっかりしましょう。身体に傷があったり、皮膚に炎症などの異常がある場合はシャンプーを控えるか、皮膚の状態に合ったシャンプーを選ぶ必要があります。また、体調が優れないときには無理にシャンプーをするのをやめましょう。
<お湯をかける>
シャワーの音や刺激を怖がる子は、シャワーヘッドを体に密着させるようにあて、驚かないようお尻の方からシャワーで体を濡らしていきます。適温は体温に近い約38度です。冷たかったり熱かったりするとびっくりして、シャワーが嫌いになってしまうかもしれないので、必ず温度を確認してから濡らしていくようにしましょう。
<洗う>
まず、肛門腺(お尻の穴の両側斜め下あたり)を絞り、洗い流しましょう。ここはデリケートな部分なので、嫌がるようなら無理をせず、サロンか動物病院にお願いしましょう。
次に背部から足を洗います。四肢や腹部は汚れやすいので、しっかり洗いましょう。ただし、足先を嫌がる子には無理をせず、指の間にシャンプーをつけ、足を軽く握る(揉む)ように洗いましょう。とにかく、犬が不快に感じないよう、力の加減をして行ってください。
次に、目頭や口の周りを洗っていきます。涙やよだれなどで汚れやすいですが、清潔にしておきたいところでもあるので、しっかり洗いましょう。顔に水がかかるのを嫌がる子は、スポンジなどを使って洗ってあげてください。
<すすぐ>
顔からすすいでいきます。シャンプー同様、水を嫌がる子はスポンジを使ってあげてください。すすぎ残しは皮膚炎の原因になってしまうので、泡が残っていないか何度も確認しながらしっかり流しましょう。
よくある疑問
●リンスも使った方がいい?
リンスやコンディショナーはシャンプー後の被毛を整えてくれるので、使うことをおすすめします。なぜ被毛を整えるのかを簡単にご説明します。
被毛は(-)の電気を持っているので、(+)の電気を持った汚れが付着します。シャンプーによって(+)の汚れが除去されるので、被毛の表面は(-)に帯電し、電気的な反発を起こしパサつきが生じます。
リンスには、カチオンという(+)の電気を持った成分が入っているので、被毛同士の反発を防ぐことにより、被毛がしなやかになります。
●自然乾燥じゃダメ?
地肌が濡れたままだと、雑菌が繁殖して皮膚炎の原因になりますので、暑い季節でも必ずドライヤーでしっかり乾かしてください。
速く乾かすには、シャンプーでしっかりと皮脂を落とすことが大切です。皮脂が残っていると油分でなかなか乾かないからです。すすぎも同様で、シャンプー剤が被毛に残っていると乾きません。
よくすすいだ後はタオルで地肌の水分をよく拭き取り、ドライヤーの風を毛の根元にあてながらスリッカ-を使って毛束をほぐすようにしながら乾かします。
●目・耳・鼻・に水やシャンプーが入ってしまったら?
<目の場合>
特に鼻の短い犬は目や口元を洗うときにシャンプーが入りやすいです。泡が入っただけなら、すぐにすすげばほとんど心配ありません。ただし、直接シャンプー剤が目にはいってしまった時や、洗い流した後も目がしょぼしょぼしたり、赤くなっている場合は動物病院で診てもらいましょう。
<耳の場合>
犬が頭をブルブルと振ることでほとんどの水は排出されるので、水が入っても心配いりません。耳の汚れが多い子は、薬用シャンプーで耳の中を洗うこともあります。
<鼻の場合>
水やシャンプーが入ってもほとんど問題ありません。しかし、苦しくてパニックになる子がいますので、なるべく入らないように注意しましょう。
シャンプーをすることで防げる病気
ホルモンやアレルギーが原因の皮膚病はシャンプーでは防げませんが、細菌やカビなどが原因の皮膚病の予防は可能です。また、シャンプーをすることで普段は毛に隠れて見えなかった部分まで全身をチェックすることができるので、病気の早期発見に繋がります。
まとめ
シャンプーの方法についてご説明しましたが、いかがでしたか?慣れるまでは大変かもしれませんが、愛犬の健康維持のため、そしてスキンシップのためにも、おうちシャンプーに挑戦してみてはいかがでしょうか。