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果樹と庭竹

2021.06.12 08:00
桜の開花から始まり季節の巡りにあわせて、毎年のお客さんが今年は幾分早めにご依頼される傾向にあります。庭竹はご近所にもお客さんがありますので順番に回ったりしています。昔、お世話になった親方が言っていました。「ご近所のお得意が無い植木屋は、必ず何か問題があるもんだ』と、なんとなく分かります。

さて、いつものお客さんが丸太を入手されたとの事で、チェーンソーで切ってお庭の腰掛けになりました。樹皮が剥いてありましたから樹種が特定できませんでたが、切ってみるとクスノキ特有の香りがします。お孫さんがとても喜んでくれました。

こちらはハーブ類と果樹のお庭です。果樹農家さんと植木屋(庭師)では剪定のプロセスが違います。果樹農家さんは収穫(収穫量)が目的ですが、植木屋は美観が命です。果樹は奥様のお楽しみですから、収穫と美観のバランスを考えて仕事をします。お茶(休憩)の時間に冷えた枇杷(収穫したもの)を出していただきました。枇杷の素朴な味わいは庭竹も好みです。

庭竹の鍛冶屋の師匠『江戸鍛冶左久作』を訪問して、葡萄の定期剪定をしました。建築を人に例えると植物(植木)はファッションに相当します。きっちりと刈り込まれた植栽などは誠実でありながら清潔感が必要な法人事務所などに向きますし、柔らかな色合いの落葉樹やリーフプランツなどはカフェや最近の住宅などにマッチします。

『江戸鍛冶左久作』の作業場は鉄と火と江戸っ子がメインですので、葡萄の幅広な葉や日々成長する果実が印象を和らげてくれます。通園通学のちびっ子達にも葡萄は人気があるようです。