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ぼくらの7日間戦争2

2017.01.01 06:03

中2の少年少女が親に黙ってフェリーに乗り込んだ。

目指すは沖縄!無人島で大暴れ!!!

●今回の「船の映画」

BOKURA NO NANOKAKANNSENNSOU 2

1991年公開 日本映画


●あらすじ

東京の中学校では夏休み前の期末試験を迎えていた。2年A組では、遅刻常習犯の天野をかばったため、ひとみ、久美子、菊地、安永、日比野、中尾の6人は担任の先生から処罰を受ける。教師の横暴に不満を持った彼らは、親にも学校にも内緒で沖縄行きを決行。船の中で知り合った帰国子女・マリコと仲良くなり、一緒に沖縄で過ごすことにする。沖縄には先回りしていた担任と生活指導の先生が待ち構えていたが、なんとか逃れ、ひとみの幼なじみである沖縄在住の高良を訪ねる。彼らは、高良の父親である建設会社社長が所有する無人島へ連れて行く。


●ここに注目

パート1は宮沢りえが主人公。そこでパート2では第二の宮沢りえを求めて、オーディションが行われた。1万人を超える応募者から出演権を勝ち得た少年少女たちの中に、りえほどのスターは残念ながら誕生しなかった。ヒロインの渋谷琴乃にはきっと「りえ」プレッシャーが強かっただろう。髪型も似ているし、日本とドイツのクォーターという点から、「第二のりえ」としてのブレイクを想定して選ばれたことは間違い無いだろうから(ちなみに宮沢りえは日本とオランダのハーフ)。現在も女優として2時間ドラマや舞台などでコンスタントに活動中であることに正直嬉しく思う。しかし、渋谷琴乃が「第二のりえ」になれなかった一つの理由としては、この映画にはもう一人ヒロインを用意したことも挙げられるだろう。それは船で出会う、アメリカンスクールに通う美女役の具志堅ティナだ。沖縄出身でエキゾチックな雰囲気のある少女は、アグネス・ラムの少女版的な魅力を持っていたし、映画公開年にテレビ番組「不思議少女ナイルなトトメス」にも出演していたからだ。映画を見た少年たちの心を「琴乃」と「ティナ」で二重取りのつもりが二分化させてしまったのだ。まさに「二兎を追う者は一兎をも得ず」。

映画パンフレットに掲載された山崎博子監督の言葉が胸に響く。「自然と遊ぶことを知らない日本の子どもたちが増えている。学校や塾の勉強に追われ、ファミコンやゲームセンターで遊び、友だちとは電話で話すという生活パターンを持つ子どもたち。その彼らに本当の自然との出会いはあるのだろうか」。この映画を見た後に無性に自然の中で無邪気に遊びたくなるだろう。それは子どもでも大人でも。映画で見せてくれた沖縄の自然や風景はもうないかもしれないが、その面影を探しに、船で沖縄へ行ってみたくなる、そんな映画だ。


●ここに船。

子供達が乗り込む船は「飛龍21」らしいという声がある。船体に書かれた赤い文字が、マルエーフェリー株式会社、奄美海運株式会社のフェリーの船体にある「ALINE」と一見思うが、よくよく見ると、文字は「K」で、違うことがわかるだろう。「飛龍21」は引退した船であるが、マルエーフェリー株式会社、奄美海運株式会社のホームページにある「飛龍21」の紹介を見ると、船室は1等と2等すべてベッド付木。映画で子供達はフロアで雑魚寝しているからも違うことがわかる。