譲位により天皇陛下は「上皇」に、平成は残り二年か
【社会ニュース】 天皇皇后両陛下は、皇太子殿下・同妃殿下や秋篠宮殿下・同妃殿下、皇族方と共に平成二十九年一月二日に皇居・宮殿のベランダに立たれ、新年恒例の一般参賀を執り行われた。一般参賀は午前と午後で計五回、九万七千人が皇居を訪れた。四回目には規制がかかった。
八十三歳の天皇陛下は、「新年おめでとう。皆さんと共に、この日を祝う事を誠に喜ばしく思います。本年が人々にとり、穏やかで心豊かに過ごせる年となる様願っています。年頭に当たり、我が国と世界の人々の平安を祈ります。」とお述べになられた。天皇皇后両陛下は、訪れた国民及び外国人達に笑顔でお手をお振られになった。毎年元旦に発表されていた陛下の「新年の感想」は、取り止めとなった。両陛下が昨年にお詠みになられた歌(御製五首、御歌三首)を宮内庁(長官:山本信一郎)が発表した。
<上皇実現なら二百年振りに>
報道各社は一般参賀を前に、陛下の「譲位」にかかる特例法案について報じた。「今の陛下特有の事情」を明記し、譲位が一代限定である事を明確にする。また譲位の要件に「天皇の意志」は盛り込まない方向だ。陛下は昨年八月に十一分のビデオメッセージで「お言葉」を公表なされ、譲位の意向をお述べになられた。政府は譲位の時期を三十年末での実現を目指す。
譲位なされた場合、第一二五代・陛下は「太上天皇(上皇)」となる。「太上天皇」を略した「上皇」は、江戸時代の第一一九代・光格天皇以来で二百年振りに。三十年末の譲位時に、皇太子殿下は第一二六代・天皇へ即位なされる。平成が終わり、新たな元号が制定される。明治以降の元号は一世一元だ。江戸以前は一代で複数の元号があった。「新元号」の発表のタイミングも注目される。
秋篠宮殿下は「皇太子」待遇となり、「皇太弟」が新設される可能性もある。これに合わせ秋篠宮家の皇族費は七千万円から上昇する見込み。「皇太子」は皇位継承が第一順位の皇子なので、秋篠宮殿下は当たらない。譲位の規定は憲法にも皇室典範にも無い。今月召集の常会に提出予定の特例法案は、皇室典範や宮内庁法、皇室経済法等も改正する予定。
尚、六年前より譲位の意志をお持ちになられていた陛下は、昨年に平均週五日、一日当たり三件のご公務等をこなされた。
写真提供:宮内庁