青空が目に染みる

朝、青空を見上げると上瞼の裏あたりがジンと痛んだ。これが青空が目に染みるということなのだろうかと思う。このフレーズを小説や短歌で使った気もするが、はじめて意識的に体感できた。それでは今まで使ってきた「青空が目に染みる」は嘘なのかと言われればそうではなく、今まで摂取してきた文章から得た「青空が目に染みる」のイメージを自分の書きたいもののイメージに当てはめた結果ということになる。イメージでしか知らないことと実感から得たこと、それぞれを言葉に起こすこと。そこに優劣はないけれど（そもそも二つをぱっきりとわけることもできないけれど）、私にとっては後者の方が難しい。言葉を洗い、実感と言葉のあいだを縮めていくところにこれからも書いていく楽しみがあるなと思う。

乗換駅の混雑したコンコースで自分でない誰かにあわせて歩ける人のゆったりとした肩を眺める。