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蟠るみずち鎮める実梅かな

2018.06.16 06:07

蟠るみずち鎮める実梅かな  五島高資

Japanese apricots calm down

dragon-like beasts hidden among leaves  Taka Goto


蟠りが産み出した実こそ 蟠りのエネルギーを鎮めるということでしょうか?


https://ameblo.jp/yuutunarutouha/entry-12605653107.html 【新型コロナ ステルスウイルスは全ての人間の脳・臓器に潜伏している】より

健康な人からウイルス続々 脳にも感染、潜伏の謎深く

2020/6/20 2:00  日本経済新聞 電子版

東京大学のチームは体内に潜伏中のウイルスを追っていた。ついに健康な人の全身に少なくとも39種類のウイルスが居着いていることを突き止めた。肺や肝臓など主な27カ所で、感染を免れていた組織はゼロ。想像を超える種類のウイルスは、脳や心臓にまで侵入していた。ウイルスは人間や動物の体内でたちまち増え、すぐに体をむしばむ印象が強い。発病していない「健康な感染者」の存在は、感染症と闘ってきた人間社会にウイルスとの新たな向き合い方を迫っている。

「健康な人に病原体としてのウイルスが思った以上に『常在』していて驚いた。全身で網羅的に調べたのは世界初だろう」。6月4日、東大医科学研究所の佐藤佳准教授らは解析結果を発表した。

健康な人の体を生存中に隅々まで調べるのはふつうは無理だ。ところが事故などで健康のまま亡くなった547人のデータが海外にあった。研究チームは、全身51種類の組織について米国立生物工学情報センターに登録があるウイルス5561種類の痕跡を探った。手掛かりは、ウイルスがヒトの細胞に感染して残した遺伝物質の情報だ。

丹念な分析はまさかの結果につながる。血液や神経、肺や肝臓など27カ所をみても、全てにウイルスの痕跡が見つかった。脳には8種類、心臓には9種類が感染。中には風邪の原因にもなるコロナウイルスの一種もいた。研究チームが目を疑ったのが「ヒトヘルペスウイルス7」だ。「胃から驚くほど多く検出された」(佐藤准教授)。

ウイルスは沈黙を守っていた。詳しくは今後の解析を待たねばならないが「何もしていないようにみえて、何かしているはず」と研究チームはにらむ。今回の解析でヒトヘルペスウイルス7が尻尾を出したからだ。感染が胃の遺伝子の働きを左右していた。胃の生理機能に影響を及ぼしている可能性がある。

ウイルスに感染しても発病しないのは潜伏感染や不顕性感染といい、専門家にとって珍しくはない。それでもインフルエンザウイルスのように潜伏期間が1~4日ならまだしも、何十年にもわたるとその理由に疑問がわく。乗り移った私たちの体を有効活用しようと計算し尽くした戦略をとっているのは確か。「どこで何をしているのか」の解明は、病気の予防や治療に役立つ。

ウマの脳炎を起こすと18世紀から何となく知られていた「ボルナウイルス」は、時に数十年を静かに過ごす。人間にも感染する。酪農学園大学の萩原克郎教授は国内で2千頭以上のウマやウシの血中抗体を調べた。国内全頭の1割は感染済みとみられるが「脳炎などの症状が出るのは年数頭」(萩原教授)。

ウイルスは感染した細胞が死ねば自らも滅びる。細胞を傷つけず寄り添うことで「感染した生物を殺さず、自らの子孫を残す」(萩原教授)。ウイルスが身を隠すのは「いったん感染したチャンスを生かし、1人の体内で増える巧みな戦略」(神戸大学の亀岡正典教授)ともいえる。

潜伏期間が人間の寿命をはるかに上回れば、それほど気にかけなくて済む。いつ牙をむくかわからないのが、ウイルスと付き合う難しさだ。

中高年で悩みがちな帯状疱疹(ほうしん)は乳幼児期に感染した「水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス」が原因だ。頭や腰の神経節に数十年以上潜む。疲労や加齢で免疫力が下がると動き出す。

主に白血病の原因となる「ヒトT細胞白血病ウイルス1」も国内に約100万人の感染者がいるが、生涯の発症率は5%程度とされる。

ウイルスの存在は1890年代に謎の病原体として見つかり、後に毒液などを意味するラテン語のつづりにちなんで「ウイルス」と命名された。

だが病気を起こすかわからないウイルスが多数いるのなら、病原体という「定義」が揺らぐ。感染者と健康な人の線引きも、これまでとは違った視点が求められる。

「ウイルス感染に対して、世の中がより寛容になるのか。逆に新型コロナウイルスの影響もあって、より過敏になるのか」(東大の佐藤准教授)。最新のウイルス像に、専門家ですら自問自答する。ウイルスの実像に迫る研究が世界中で進むが、この世から一掃しようとの声は聞こえてこない。そんな人類の姿に、ウイルスはほほ笑んでいるのか、それともほくそ笑んでいるのだろうか。(草塩拓郎)


https://ameblo.jp/yuutunarutouha/entry-12605342817.html 【新型コロナ 第2波に勝つ科学的で現実的な戦略 検証と提言を活発化させたい】より

2020-06-19 15:47:12

日本がコロナ2波に勝つ科学的で現実的な戦略

Yahoo news 2020/6/19(金) 5:10 東洋経済オンライン 大崎 明子 : 解説部コラムニスト

(いちご政府・自民党も旧民主党系もコロナ対策の反省と検証はしないようなので、無党派・共産党系が検証会議を設けるべき。志村けんや岡江久美子が亡くなった状況への反省と謝罪を厚労省・専門家会議がしない限り、彼らの言動は信用できない。死亡者や感染者は民度が低かったのか。日本モデルとやらは成功したのか。

ちなみに、私が賛成する東大児玉龍彦名誉教授の提言は、網羅的な抗体検査と感染集積集団へのPCR検査で、全数的なPCR検査には5月初めごろから賛成していなかった。)

コロナ感染拡大の第1波では日本は欧米に比べて、また毎年の季節性インフルエンザに比べても人口対比の死者数を少なく抑え込むことができた。しかし、第2波への不安がある。東京大学公共政策大学院の鎌江伊三夫特任教授は、医療政策は科学的根拠に基づき、かつ、社会的価値も考慮したものであるべきとして、第2波への具体策を提言している。緊急事態宣言は必ずしも出す必要はなく、大量のPCR検査による集団スクリーニングは科学的根拠がなく不適切だという。鎌江教授に今後のあるべき政策について話を聞いた。

■科学的根拠と社会的価値に基づく政策であるべき

 ――新型コロナの感染拡大が始まってからの政府の対応やメディアの報道について、キヤノングローバル戦略研究所のコラムでさまざまな問題を指摘されています。

 私の専門は医療政策・技術評価で、まず政策は科学的根拠に基づいたものでなければならないと考える。それに加えて、社会的価値があるかどうかで政策の妥当性を判断していく。例えば、臨床試験で有用性が科学的に証明されたとしても、それが社会的に求められるものかどうかという観点でも議論しなくてはならないということだ。

 患者にとっての価値が重要であり、すべての国民は私も含めて患者予備軍なので、それは国民にとっての価値ということになる。社会的価値に基づく医療を実践していくということが基本。今の新型コロナへの対応は「社会的価値に基づく医療」を実現できるのかの試金石だ。その意味で感染第1波を通じていろいろな問題が噴出したと思う。

 その1つが誤った認識に基づく大規模検査を求める声だ。一般の人が検査に期待し過信してしまうのは無理もないが、驚いたのは、検査の精度の問題についてのきちんとした説明や検査を過信することへの警告が、専門家からも発せられなかったことだ。専門家会議はクラスター対策班の北海道大学西浦博教授の疫学モデルによる感染拡大の予測の話が中心に議論され、その前提となる検査について科学的な説明がなかったように思える。

――とりわけテレビ番組では説明のないままにやみくもな検査論を喧伝するものがありました。

 テレビでコメントする専門家も、検査を大量にすると陽性者が大量に出て医療崩壊を起こすといった話をする人はいたが、偽陽性や偽陰性の問題はほとんど議論していなかった。(いちご神奈川県医師会のHPに説明がある)。メディアの報道を通じては、専門家といわれる医療関係者でも多くの人が検査の科学を理解していないように見えた。検査では「病気の有無」はわからず、病気の「有無の可能性」がわかるだけだ。100%完全な検査は存在しない。

 検査を受ける人の観点からは陽性適中率あるいは陰性適中率がどのくらいかが問題となり、検査の正確性という点では感度(真陽性率)、特異度(真陰性率)が重要となる。症状のある人に治療のためにPCR検査を行う場合は、陽性適中率や陰性適中率が90%を超えていれば実臨床上は問題ないが、対象集団が多くなると、偽陽性(感染していないのに陽性)や偽陰性(陰性だが実際は感染している)に該当する人が無視できない数になってくる。

 PCR検査の正確性については、まだ、国際標準のエビデンスがないが、感度70%、特異度は99%という想定値がリスク分析上妥当ではないかと考えられる。だが、感度95.0%、特異度99.9%とさらに高い数字を仮定しても、1000万人について検査を行えば、有病率が10%の場合で偽陽性は9000人、偽陰性は5万人出る。有病率が50%の場合で偽陽性は5000人、偽陰性は25万人出る。

 これでは、多くの人が誤って感染していると判断されて無用な差別や偏見を受けることにつながりかねない一方、膨大な数の感染者が陰性結果に安心して日常生活を続け、ウイルスの拡散を見逃す結果になる。そうした検査の限界を踏まえないと政策は議論できない。ところが、これを理解しないままに、PCR検査による集団スクリーニングを主張する人が多かった。(いちご限界はあるものの、検査をほぼしなかったことが問題だった。)

 ――結核やハンセン病など過去にも隔離は問題となってきました。

 公衆衛生ではそこのジレンマがとくに強く起きる。最大多数の最大利益を考えると個人の利益の毀損が起こる場合がある。そこをきっちりと議論して、私権制限を最小にしていかなければならない。仮に、大規模に検査をしたいと政治家が言い出したとしても、「偽陽性の人が大量に出てそういう人を隔離すると人権問題が生じる、果たしてそこまで必要ですか」と問いかけるのが医療関係者の本来あるべき姿だ。私は「大規模な検査に基づく隔離」などという提案には一貫して反対の立場を述べてきた。科学的根拠がないという意味でも間違いだし、社会的価値という観点でも数兆円のコストがかかるのに費用対効果が見込めず、人権侵害が起こる点でも間違っているからだ。(いちご5日から10日ほどあれば、真陽性と偽陽性は区別できる。ハンセン病のように一生隔離するわけではない。)

 ――第1波の経験を生かした第2波への具体策を提言されています。

 日本がPCR検査をやみくもに広げず、クラスター追跡を行ってきたやり方は一定の成果を上げた。これは評価できる。クラスター潰しは、どこの国でも取り組めるわけではない。保健所のようなインフラ、そこで働く人たちの高い意識や仕事に対するロイヤルティー、医療に限らずさまざまな世界で指摘される日本人特有の生真面目さが発揮されたのではないか。スタッフや経費が制限された状況下でも、保健所をはじめ、現場の行政・医療関係の人たちが昼夜を問わずにクラスターの追跡を続けた。アメリカのようにエリートと現場とが乖離している社会では難しい面がある。素直に誇っていい。

 ただ、ここから先、経済活動の緩和に伴って感染者の行動範囲が広がることを考えると、感染者の濃厚接触者、そのまた濃厚接触者まで追跡する、つまり、従来のやり方を拡大した「メガクラスター追跡作戦」の展開が望まれる。鎖国状態がいつまでも続けられないので、入国制限を緩め始めていることも心配だ。南半球は冬になっているし、空港での水際作戦も含めて、航空機がメガクラスターだという前提で取り組みを進める必要がある。それが成果を上げれば、経済的痛みを伴う休業要請や外出自粛など日常生活の制限はほとんど不必要だ。よって、感染防止か経済優先かといったジレンマは起こらない。だだ、それを行うには、今の体制は十分ではない。新作戦への政府による覚悟と重点化が必要だ。

歴史的に医学的な診断検査を感染抑止に使うということは初めての経験だ。がん検診は集団のスクリーニングだが、あくまでも目標は治療で、早期に発見することが早期の治療につながるということだ。感染症の拡大を防ぐために検査が行われたというようなことはなかったので、どういう検査能力があれば効果的かは議論されてこなかった。

 第1波では基本にPCR検査を据えていたが、精度と結果が出るまでに時間を要し場合によっては数日かかってしまうことを考えると、単独、あるいは日をおいての2回のPCR検査をしても、感染抑止は効率的に行えない。もっと良い方法がある。10~30分で検査結果が出る抗原検査と組み合わせることだ。ただし抗原検査はPCRの感度70%に対して50~60%と低いようだ。厚労省は保険適用の検査のやり方として、当初、抗原検査を行って陰性だったらPCRでもう一度検査をするという制度を導入した。しかし抗原検査1回だけでもPCR検査と結果があまり変わらなかったという理由で、抗原検査1回だけで確定診断してよいと変更された。これは臨床診断としては容認できるが、本当に検査を抑止に使うつもりなら問題である。

検査による感染抑止の場合、見逃しをなくす必要がある。抗原検査の感度を60%と仮定した場合、抗原検査を2度繰り返してから、PCR検査を行えば、1回の抗原検査だけでは60%程度にすぎない陰性適中率を、90%以上に高めることができる。つまり、見逃しにあたる偽陰性を40%から1桁に減らせる。

ただ、偽陰性を減らすために繰り返し検査を行えば、どうしても偽陽性が増える。これはトレードオフの関係にある。きちんとデータを踏まえれば、偽陽性や偽陰性、感染者数は推計できる。それに基づいて、検査の理論と人権の問題をどのようにバランスさせるのかをしっかり議論して、戦略を立てていくべきだ。この戦略は検査のことをよく知っているエキスパートたちが議論して練り上げなくてはならない。また、検査数が増えるので、それができる技術者の体制も作らなくてはならないし、追跡を行う保健所等の人員も拡充していく必要がある。

およそ費用対効果に見合わないようなマスク2枚の全戸配布に400億円余りもの費用をかけるくらいであれば、このメガクラスター追跡作戦に予算をつけることのほうが、現実的に求められる対策だ。年100億円ぐらいの予算をつけても4年間維持できる特別作戦チームを設置することができる。陽性者の隔離に関しては、指定感染症の縛りをもっと緩くすべきだ。2週間の観察は必要だが、症状のないときは原則自宅で待機してもらい、ITを活用しつつプライバシーに配慮した観察を行えばいい。

 空港の水際作戦については、空港周辺の大学や病院などと連携してコロナ対策病棟を集中して作れるのではないか。ダイヤモンド・プリンセスのときの反省を生かして、有症状の陽性者には入院してもらい、無症状の場合は、待機観察の場所として空港周辺のホテルが利用できれば、観光客が減っているホテルの支援策にもなる。

――第1波のときの対応について良い点・悪い点を検証しないと、このままでは感染者が増えると緊急事態宣言を繰り返すことになりそうです。

 それでは経験に学べてないのでいかにもよくない。経済か医療かといった、いわば神学論争を続けるのでは第1波の繰り返しになってしまう。

 コロナは危険で怖いからと、全員で一方向を向いてしまって突っ走る傾向があるようだ。SARSの経験がないので、台湾や韓国のようにPCR検査をたくさんやれる体制になかったのは確かだが、そこで検査体制の不備を理由に政府批判ができあがってしまうと、そもそも検査をそんなにやるべきなのかどうかといった冷静な話や、検査科学の常識も通用しなくなったようだ。テレビでは、一部の専門家も交えて大規模検査の大合唱が見られたが、そういった声が正しかったのかという検証も必要かと思う。政府批判をするにしても、科学的根拠を踏まえないと、正当性がないことになる。

1日500万件、あるいは1000万件も検査をやれば、毎日何十万人もの偽陽性や偽陰性者を出すのに、「安心」のために「隔離」と言っている。しかも、感染症の検査の場合、たとえ陰性結果が100%正しいとしても、それは検査を受けた時点での陰性に過ぎず、検査後に感染しない「安心」を何ら保証しない。胃がん発見のための胃カメラ検査は年1回程度受けていればまず安心といった一定期間の保証を与えてくれる。しかし、感染症の検査はまったく異なる。例えば、検査を受けた時点では感染していなくて、検査直後に知らず感染した場合、2日後の検査結果が陰性であっても、その判定結果は無意味だ。

 私は当初日本にもアメリカのCDC(Centers for Disease Control and Prevention、疾病予防管理センター)のような組織が必要だと書いたのだが、アメリカでCDCの専門家たちの意見が通ってない現実を見て、一方でCDCがなくても対処してきた日本を見ると、必ずしもCDCの有無の問題ではないのだと思った。

 医療の専門家ではない人たち、あるいは医療の専門家ではあっても、検査の科学をよく知らない人たちが政策を議論しているようだ。そこを改めないといけない。科学的なエビデンスに基づき、かつ、文理学際的に、人権上の問題も含めて公衆衛生学上の合理的意思決定を行うにはどうすればよいのか、それを検討することのほうが先だ。

――そもそも第1波での緊急事態宣言の発出は妥当だったとみていますか。

 検証するべきだ。専門家の間でどういう議論がなされて、政府はそのプラスの効果とマイナスの効果をどう受け止めて、緊急事態宣言を出したのか。新規陽性者のグラフをもとに、実は宣言の前にピークアウトしていたのではないかとの指摘もある。後付けの議論は行政当局にとっては無理筋の面もあるが、当時の判断がどうだったかは、今後のために、科学的根拠に基づく政策決定の事例として検証しないといけない。

 なんといっても、政府による「人の接触を8割減らす」という達成目標は説明不足だったと思う。引用された実効再生産数は、一定の免疫をもつ集団で1人の感染者が他の人にうつすと予想される人数であり、1を切れば感染は収束に向かうとされる。

 北大の西浦教授が人の接触を8割減らせば、それが1を切って1カ月で収束すると試算したことが、政府方針の根拠となった。西浦教授はその論拠をYouTube上で説明していたが、政府から示された3月の段階で実効再生産数はすでに1を切っており、その後1を超えることはなかったようだ。緊急事態宣言を出す前から実効再生産数が1未満だったなら、なぜ接触8割削減が必要だったのか、論拠が明確でないと思える。

 また、私はキヤノングローバル戦略研究所のコラムで試算を示しているが、毎日の新規陽性者数の移動平均を求めて予測を行えば、多少のタイムラグはあるが、遅くとも緊急事態宣言の発出後の早期に、新規感染者数が減少傾向に転じていることが判明したはずだ。そのあたりの予測を逐次、丁寧に行えばもっと早く宣言の解除が可能だったのではないだろうか。

――日本では専門家会議の議事録をとっていなかったことがたいへん問題だと思います。開かれた議論の土台すら提供していません。

議事録がないのは奇妙だ。専門家は自らの専門的知識に責任をもって発言するのが役割だから、通常、議事録を残したら困ることはないはずだ。感情的になる議論もあったとの話が聞こえてきたことにも違和感がある。これまでに例をみない感染症への不安の中で、緊張感が張り詰めていたのであろうが、それでも冷静に科学的な議論をするのが専門家の役割だ。

 専門家会議のメンバーは、ほとんどが感染症専門家のようだが、診断検査のサイエンスや、EBM(Evidence-Based Medicine;根拠に基づく医療)のエキスパートが選ばれていないようにも見受けられる。

 病院の一線で活躍する臨床医師の中にも、EBMの観点から、インターネット上でPCR検査の正確性に関する科学的な情報発信をしている専門家がいる。そのような人が専門家会議のメンバーに入っていないとしたら改善すべきだ。

 また、緊急事態宣言による制限解除のロードマップを見ても、専門家会議の提言は、西浦教授の感染予測の疫学モデルに依拠した接触8割削減論と経済解除推進論の政治的妥協の産物のように思えた。今後、経済活動をできるだけ維持しながら感染抑止をする検査戦略をどうすべきかの視点と論議を欠いている。第2波対策では、そこが最も重要だ。

 大阪府の吉村洋文知事は、自らリーダーシップをとって独自の専門家会議を招集して、国に先駆けて府民にわかりやすいロードマップを示した。しかし、国では、専門家会議や諮問委員会といった仕組みはあっても、結局、その意思決定プロセスの透明性が低く、誰がどのようなリーダーシップをとっているのかが国民の目にははっきりしていない。そこは、これから第2波に備える国の危機管理の課題だ。

(ほぼ首肯できるコメント)

持病等で重症化しやすい人を優先的に休業や在宅勤務にできる制度が必要です。自粛期間中に、会社によっては職場の配置で健康な人が在宅勤務をしているのに、持病を抱えた高リスクの人が接客等の最前線で働いていたなんて事もたくさんあったでしょうから。

結局、「国民全数検査」まではいかなくても、検査は大規模にはなるだろうね。もうプロ・スポーツは再開の前提になっているし、海外渡航するビジネスマンも必須になる。東京都が行った「歌舞伎町スクリーニング」は有効だったと思うので、都内で複数箇所、大阪でも行う事になるかも。ただ、東京の抗体検査の「0.1%」の結果や、スウェーデンの集団免疫の獲得の遅さを考えると、感染力は思った程高くなく、日本は「通常運転」で乗り切れる気がする。

統合的な防疫体制、司令塔が必要かと。法改正も必要かな。使用末節のパッチワークをするよりも、ポピュリズムのショーするよりも、自然科学と社会科学を統合した司令塔が必要です。医療崩壊防止と経済レジリエンスの双方のバランスがとれる司令塔です。そういったシステム作りに期待したいと思います。アジアはそれで成果を上げているんではないですか。欧米よりマシ、なんて言ってるのは、思考停止の範疇です。

コロナ対応を担っている各地の中核病院の経営が非常に厳しいようです。コロナの疑いがある患者を受け入れていると陽性者が出ていなくても一般患者は全く来ないそうです。平常時月7億円規模の病院で2月以降月あたり1億円以上の赤字が出ていると言っていました。福祉医療機構からの融資で当面は乗り切れるようですが、この状況が続くと病院が破綻する可能性があります。早急な対策が必要だと思います

第二波に向けての鍵は外来診療体制(含む検体採取)にある。3/4にPCRを健康保険化したが民間医療機関での外来診療には大きなハードルがある。東京都を皮切りに「PCR検査センター」を立上げ、6月現在も、厚労省は全国に向けて「検体採取を含めた外来診療所(外来・検査センター)」の立上げを必死に推進しているが大きな地域差が生じている。想像して欲しい。秋以降インフルエンザ流行と共に多くの発熱患者が発生する。検査所ではなく発熱患者を総合的に診療する場所が無い限り難民化は防げない。唾液での抗原検査キットが薬事承認される。「外来・検査センター」をコロナ+インフル+一般感冒の大量の患者を捌けるだけ開設するのか? 感染リスクの少ない抗原検査で(感染防止対策を施したうえで)、一般クリニックで対応させるのか? 明確な方針を示し必要な準備をしておかないと第一波同様に溢れかえる事態になってしまう。

(おバカなコメント;いちご重症者に限定して軽症者を無視した結果、志村けんや岡江久美子が死んだ。検査に資源的な制限があるなら、それを克服する努力をするべきで、医療拒否は論外。実際には民間機関を使えば検査は拡大できた。保健所ルートに固執した厚労省の失策。これを隠蔽している。)

有意義な記事でした。2月24日に専門家会議から、努力しているがPCR検査は設備や人員に制限があり、重症化のおそれのある人に集中させる必要があると示されました。検査の仕組みなど、ネットの世界では早くから情報共有されていました。マスコミがもっと丁寧に政府の方針を説明する必要があります。視聴率を稼ぐためか、政府を批判し、不安を煽っていましたね。今朝もまだやってますが。第二波に備えて、正しい広報をするようにして欲しいです。