提案『文化教育』
文化的教育は多くの種類があります。理科的・地理的・歴史的・文学・音楽・造形美術・日本文化・食文化・お裁縫など挙げるときりがなく一生かかっても全てを学ぶことはできないでしょう。
例えば宇宙と星・太陽系の惑星・地球の構図や地理的内容・地理的パズル・国旗や各国の文化・生物と無生物・動物・植物・時間的流れ・時計の学び・音楽や音楽家・絵画や彫刻と芸術家・芸術の鑑賞・書道・和歌短歌俳句・茶道・生け花やフラワーアレンジメントにガーデニング・刺繍布を用いての制作・料理やお菓子作りなど学習的内容から生活から趣味に至る内容までと幅がとても広いのです。
特に幼児期には多くの刺激を得られるよう選択肢の幅を広げ、チャレンジする機会を増やすことが必要です。多くの敏感期が集中してやってくる幼児にはその最高の波に乗る経験をさせることで思考の深まりがより一層進むことになります。
子供の頃にその敏感期の波に乗られた方はお年を召しても意欲的で幅広い知識に溢れておられます。博識の高い方々にお会いする度にあくなき物事への関心や興味、探究心を抱かれておられるのだなと尊敬の念を覚え、常にアンテナを張り巡らしその感度たるや凡人の私には到底真似のできない吸収力です。その方々に幼き頃の過ごし方を伺うと、遊びと学びが紙一重で自由自在にその両方を行き来しながら学んでおり、多くの経験をもされておられます。つまり幼児期や少年少女期に興味のあることを楽しんできたことが共通しているのです。
幼児期であろうと子供が太陽系に関心を持てばそこは環境を整えるタイミングなのです。太陽系は小学3年生で太陽土地法面の様子を学び、4年生で月と星、6年生で月と太陽、中学で地球と太陽について学びますが、幼児期に既に関心を持ち本や図鑑を読み漁るレベルであったり、博物館や展示会などに足を運んだりと興味を持ったらそのチャンスを間髪入れず逃さないようにしたことで学習期を迎え一歩も二歩も先へと自分自身で進みたくなるようです。
このような文化的教育が早期教育として捉えられ、先泥学習は良くないのではないかという意見がありますが、子供自身が選択する場合にはその考え方は当てはまらないと思います。また早期教育として捉えるほど視野が狭いと感じます。子供自身が自分の気持ちに素直になって宝の山に入るのであれば手ぶらで帰るほど勿体無いことはありません。環境を整えてあげると子供は学習としてではなく、興味や関心事として見て触れて感じて考えて調べ始め究めるのです。
では子供自身が何かを見つけ究めるにはどうすべきか・・・それは多くの種蒔きだと考えています。
いろいろな種を蒔いておけば子供は自ずと自分に合ったものをチョイスし学びを深めていきます。文化教育とは強制的な学習ではなく、子供自身が自分から興味や関心ごとを本能的に選び極めていく幅広い文化的学びです。そのタイミングを逃さぬように環境を整え経験させていくことに意義があるのです。
『昔取った杵柄』という言葉がありますが、吸収力が高い子供の頃に多くの経験をさせておけば大人になっても勘を取り戻すことができます。たとえそれが学習に活かせても活かせなくても、その両者に属さないことでも感性に働きかけて豊かに生きることができることもあります。
興味や関心を持ち瞬間的に輝くための文化教育は心を満たすものであって欲しい、そうあるべきものだと考えます。