梅雨空のもと
水遊び 後背比べ 立葵
(みずあそび のちせいくらべ たちあおい)
梅雨時、よく目につく草花の中に、立葵があります。
先立った娘が、元気にご近所を走り回っていた頃、下手の横好き私の趣味の一つに、俳句や川柳、短歌がありました。
しっとりと、雨に馴染むように色づく紫陽花の美しさとはまた違う花。
雨に打たれても項垂れることなく真っ直ぐに空へ伸びながら、茎の下の方から蕾を咲かせてゆく姿に、水遊びではしゃぐ元気な子どもたちの姿を重ねてみた一句です。
娘の事後は、そんなささやかな趣味に心を遊ばせる余裕もなく過ごしてきたんですね。
五年目の今年は、そんな立葵に、とても目が行くようになりました。
📷気持ちよさそうに雨を受け、私の背丈より高く伸びた立葵が道脇に。
にょきにょき伸びて、一番上の蕾が咲ききれば、梅雨明けが近いのだと、自宅向かいのおばあちゃんから聞きました。
――そうだ。
亡き娘は、最後の夏にやっと私の背丈に追いついたばかりだったのを思い出しました。
――生きていたら私を追い抜いたかな。
――私より少し背の高いお姉ちゃんと並んだかな。
――体重は既に私たち二人を追い抜いていたね…!
色褪せた亡き娘の傘の中、そんなことを思い、心の中で静かに笑いました。
* * *
先日放送されたNHKスペシャル番組『若者たちに死を選ばせない』
(お見逃し視聴は、NHKプラスを検索)
こちらのブログお知らせから知り、お時間を割いて見てくださった皆様ありがとうございます。
m(__)m
亡き人繋がりのブロ仲間さんたちの関連記事、感想や意見、具体化したような対策案も拝読しました。
せっかくのご指摘やご意見が、せめてダイレクトに届いてほしいですので、ご存じかと思いますが一応送信先をアップさせていただきました。
既になにか行動に移している方もいるかもしれませんね。
ご自身なりの指針を朧気にでも心に浮かべた方もいるかもしれません。
取材を受けた私としては、いまいち客観的に見れてないので(^_^;)、少し時間を置いて見直してみました、そして…、
取り上げてあそこで終わりじゃないはず。
ここからがスタートだと希望します。
では、どうしていくのか?
番組タイトルに『自死』を入れなかった理由は、たぶんそういうことなのだと思うから。
せめて、自身でできることからって、なんだろう?
この世で出会う人、今、目の前にいる人が発せられない思い、やっと発した言葉の裏にある気持ちをすべて汲んで、思い遣れるほどの心の余裕がない自死遺族の自分に。
それでも、そのことを心の片隅に忘れないで生きていくのも大切なことの一つだと思いました。
そういや娘の遺書に『ほんの少しでも私がいたことをおぼえていてくれたら嬉しいです』という一文があったのを、重ねて想い偲びました。
亡き娘が私に遺した課題は尽きません。
だからこそ、あんな恐ろしい悲しいことがあっても生き繋いで来れたのかなと、最近は思うようになりました。
◆自死遺族の集い