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今月の輝く!リフォームセールス~お客様よりも常に一歩先行く提案を心がけています

2021.06.22 03:00

お客様よりも常に一歩先行く提案を心がけています

今回登場するのは、入社2年目で年間売上1億3000万円を達成した佐井鈴佳さんだ。状況を客観視して打ち合わせを進めるクールな一面と「お客様の熱量を上回るプレゼン」を心がける熱い面を持ち合わせる佐井さんのノウハウを紹介する。


▲ウィル空間デザイン(兵庫県宝塚市)リフォーム・リノベーション部門 第1チーム 佐井 鈴佳さん(26)

大阪市立大学で哲学を学ぶ。応援団(リーダー部、吹奏楽部、バトン・チアリーディング部で構成)に所属し、吹奏楽部でトロンボーンを担当。「納得するまで頑張る人を応援してくれる会社だと思い」(佐井さん)、ウィルに入社。リフォーム・リノベーション部門に配属される。「偶然ですが、父の職業が現場監督で、実家は父が担当して建ててくれました」



このお客様に必要?「はてな」の仮説を立てる

不動産売買やリフォームなどを手がけているウィル。大阪府と兵庫県、愛知県に営業所があり、不動産仲介・リフォーム・注文建築の設計・ファイナンシャルプランニングなど住まいに関する各サービスをワンストップで提供している。リフォーム・リノベーション部門を担うウィル空間デザインの佐井鈴佳さんは、上司から「天才」と呼ばれるほどの凄腕リフォーム営業だ。

ある時、佐井さんは不動産仲介部門から、自宅のリフォームを検討しているお客様を紹介された。ウィルを含む3社での相見積もりの案件だった。

競合他社は価格が安いA社と有名企業のB社。それらに対して佐井さんは「うちはお客様にとって大事なものを一緒に考えていく会社です、と伝えました」話す。

お客様は50代の夫婦。案件は、3LDKのマンションを、洗面所からもキッチンに行き来できる2WAYにしたいという話からスタートした。

佐井さんはいつもお客様の言葉を鵜呑みにしない。本当にこのお客様に必要なものなのか、「?」と仮説を立てる。

調べてみると、2WAYにした場合、お風呂に段差ができてしまうことがわかった。そこで2WAYの案はなしに。その後も20回以上打ち合わせを重ねてニーズを聞き出し、最後は大きなウォークインクローゼットのある2LDKに決定。しかも、娘さんの意見を取り入れて、『ヌック』(落ち着ける心地よい小さなスペース)を作る案に落ち着いた。



お客様の性格にも配慮
自社の物件もフル活用

佐井さんはお客様のことをよく見ている。このお客様はゆっくりとしたテンポで物事を決めていくタイプ。佐井さんは1回の打ち合わせの内容を絞り込み、混乱しないように配慮した。

さらにウィルが所用するリフォームモデルルームや、時には自分自身や社員の自宅を実際に見てもらうことで、完成時のイメージを持ってもらえるようにもした。

やがて、お客様は他社案について「会社側が施工したい変わったプランを提案されていて、やりたいこととずれている」と佐井さんに話すほどの仲に。お客様は最終的にウィルを選び、当初の予算700万円を超えて1000万円の予算となったが、満足してもらうことができた。

▲カタログをキャリーケースに入れ、リュックに図面ケースを肩に掛けるのが、佐井さんの営業スタイル。大荷物だが、その分熱い気持ちが伝わる


入社して最初にやったこと
「話しかけづらい人をなくす」

入社当時から「新人らしからぬ貫禄」があったという佐井さん。リフォーム・リノベーション部門に配属された時、部署に女性は佐井さんただ一人。その後は女性の後輩も入ってきたが、当時は男性に囲まれて仕事をしていた。

しかし、そうしたことはまったく気にならなかったという。最初に行ったのは「話しかけづらい人をなるべくなくす」ことだった。

「質問しづらい、喋りづらい人がいると、仕事自体がストレスになります。逆に全員が話しやすい人になったら、働きやすい環境になると考えました」

わからないことを先輩達に聞き回り、知識をどんどん吸収していった。入社2年で1億3000万円の売上を達成。3年目となる今年は2億円を目指している。

▲仕事中の佐井さん。リフォームの営業と、不動産仲介の営業が同じフロアで業務を行っている


新人時代から落ち着いて客観的な判断

佐井さんの特筆すべきところは「物事を冷静にフラットに見つめる」視点だ。お客様のリフォームへの思いが強すぎると、新人は振り回されてしまうこともある。しかし、佐井さんは客観的に状況を判断し、冷静に対処。その上で上司に指示を仰いだり、自分は何をすべきか考えることが、新人時代からできた。

例えば、リフォームでよくあるのが収納の問題だ。子ども部屋を先に作っておいて一時的に納戸として使い、子どもが生まれたら子ども部屋に戻すというパターンが多い。

そんな時、佐井さんは「私はお客様の性格を加味しながら『それはやめておいた方がいいですよ』と、言います(笑)。子ども部屋に入れていたものはどこに行くのですか?荷物でゴチャゴチャした生活はお客様にとってよくないと思いますと、はっきりと言います」

また、リフォーム工事は決め事が多い。決断することに疲れてきたお客様が「もう佐井さんにお任せます」と言う時もある。

「任せてもらえて嬉しいのですが、そこは譲らずに絶対にお客様に決めてもらいます。お客様が思う普通と、私達が思う普通は違うからです。その感覚を共有しないまま何かを決めてしまうのは、トラブルに繋がり、満足度を下げることになると思っています」



お客様の期待以上の提案でワクワクさせたい

佐井さんは打ち合わせの準備にも余念がない。

ウィル空間デザインでは不動産仲介の段階からお客様に関わることができるため、佐井さんは不動産担当者から、事前にお客様はどんな人で、どういう生活を希望しているかなどをヒアリングする。

さらに現地調査に行き、3パターンほどのプレゼンボードを用意する。

そのプレゼンボードもパース画や写真を多く使い、見ているだけでワクワクするように仕上げている。

「打ち合わせでは、常にお客様の熱量を上回ることを目指しています。お客様が期待し、楽しみにしてくださっている以上のものを提供したいのです。常にお客様の一歩先を行かなければ、私達がお手伝いする意味がないと考えています」と佐井さんは話す。

▲佐井さんがお客様に提案する時に持っていくプレゼンボード。ブラックボードを使ってスタイリッシュに



ウィルでリフォーム
そう思われるブランドづくり

現在は不動産仲介からの案件を手掛けることが多い佐井さん。

「今後はウィル空間デザインにリフォームをお願いしたいから、不動産仲介部門で家を購入するというように、リフォームの依頼が最初に来るよう、ブランディングをしていけたらと思っています」と話している。



リフォマガ2020年11月号掲載