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クリステンセン教授の『イノベーション・オブ・ライフ』を読了

2021.06.17 05:07

「イノベーションのジレンマ」で有名なクレイトン・クリステンセン教授の『イノベーション・オブ・ライフ』を読み終えました!

「最高の人生を生き抜くために」という副題がついているとおり、「世の中にはビジネスで成功しながらも不幸せな人たちがいる。それはなぜだろう?」というテーマに取り組んだ人生経営書。

今、「DoingからBeingの時代へ」とも言われていますが、条件やロジックから「やるべきDoing」を考えるのではなく、自分はどうしたいのか?自分はどうありたいのか?というBeingを考えようということでしょう。 

そして、Doingの時代にはGDP(Gross Domestic Product)が1つの指標となりましたが、Beingの時代にはGDW(Gross Domestic Well-being)などが指標となり、測れるもの(product)から測れないもの(well-being)になってきたという流れとも連動してくるなーと思いながら読み進めました。

そういえば、「子どもたちを人生の困難な問題から隔離することで、知らず知らずのうちに、成功に必要なプロセスや優先事項を生み出す能力を、この世代から奪ってしまったのだ。」という記述!

これは子育てに限らず、人材開発の世界でも同じようなことはあると思います。それっぽいスキルや知識をつける研修は多いのに、自分の力でなんとかする!という機会の提供が少なくなっているのではないかと、、、

修羅場研修やサバイバル研修、殻破り研修と呼ばれる私たちの研修でも「安全の確保」「危険の回避」という名の下に「お膳立てが過ぎる」ことになってしまったケースもありました。もちろん、最低限のセーフティネットは必要だけど、本書にも書かれていた通り、「良かれと思って」やったことが、結果的に成長の機会を奪っているなんてことがあったらそれこそ本末転倒です。

本書では「経験の学校」(The Schools of Experience)という項目がありましたが、結局、大切なのは「アウェイな環境でのチャレンジ経験」あるいは「なんとかするしかない状況を、自分の力でなんとかする経験」だと理解しています。