平成二十九年から外国人をランク付けする中国、欧米の反応は如何に
【ビジネス考察】 平成三十年四月から中国(主席:習近平)が同国居住の外国人を三分類する新制度について、講談社(代取:野間省伸)は記事『前代未聞!中国が始める外国人「ABCランクづけ」制度』で伝えた。当該記事によれば、外国人は同国政府の評価基準でA.ハイレベル人材、B.専門人材、C.一般人員に分けられる。評価は百二十点満点で、五十九点以下がCとなり、同国政府が居住を排除する人材となる。エリート外国人のみを同国内でビジネスさせる算段だ。
昨年三月に同国政府の公式政策となった「第十三次 五ヶ年計画」で、五年以内にGDP千六百兆円以上を目指す事を明記。労働生産性は、一人当たり二百万円だ。GDPに対する研究開発の投資を〇.四㌫増やす。対して、経済大国で第三位の日本は六百兆円を目指し、第一位の米国は二千兆円超を目指す。中国は米国にGDPで突き放されない様に、対策として国内外国人のランク付けを行い、世界のエリートを呼び込む。中国は特殊だ。日米欧の様な国家体制とは異なり、国家の上に中国共産党がある。同国の統治情報に関しては記事『【戦略】中国の「第13次5カ年計画(2016〜2020年)」/ニューラル』に詳しい。
<日本への波及リスク>
当然に外国ビジネスマンに国内のビジネスマンが負ける訳にはいかないので、エリートの先鋭化(国民のランク付け)が進むものとみられる。ポイントは、この新制度のインパクトだ。欧米は黙って、この新制度を見過ごすだろうか。ビジネス ファーストとなる米国(次期大統領:ドナルド・トランプ)は、看過しないだろう。欧米の自国民がランク付けされる以上、中国の新制度が施行された場合に報復措置は考えられる。欧米が全く同じ制度を導入するとは言い難いが、似た様な制度で外国人からランク付けされ、自国民も自然的にランク付けされる可能性がある。
欧米がランク付けを始めた場合、日本はどうなるのであろうか。新安保法制等の様に、米国の要請でランク付けの制度が施行されるかもしれない。これは現代版のエリート(身分)制度といっても過言ではない。日本はマイナンバーがあるので、ランク付けは各自に紐付けられる。中国の新制度は、世界市民に対し上下を付ける制度になりかねない。万一、Cランクと見做されれば、国内外でも厳しいビジネス環境となるだろう。
相手は日本のGDPの何倍も有す米中なので、「そうならないだろう」ではなく、「そうなるかもしれない」と準備をした方が好ましい。
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