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やよいの日々

笹粽

2021.06.20 00:02

花結び作家の友人から、故郷の友達手作りの笹粽をいただきました。雪国の大きな旅館の末娘だった友人のお八つは、大きな柱に吊り下げられた笹粽を「ポイッと一つちぎって食べる」ことだったそうです。暗い土間に黒光りする柱やおかっぱ頭で黒目がちの活発な女の子が目に浮かびます。

 くらがりやかさとなりしは笹粽   加藤 楸邨

 六助の碑に恋もなし笹粽      杉田 久女

「六助の碑」が気になって、調べてみました。どうやら、向島の長命寺にある犬の碑のようです。六助は酒問屋に飼われていた秋田犬で、主人に忠実な上、「鼠を獲る」特技があって、隣近所でも評判の犬でしたが、ある日突然、屠殺者に殺されてしまいます。憐れんだ主人が塚を建てると、酒屋仲間や鳶職の人々も寄金して供養したとのこと。明治二十七年四月のことだそうです。